第31回 中辻ジュニア、全国から募集中

この対談について

「日本一高いポスティング代行サービス」を謳う日本ポスティングセンター。依頼が殺到するこのビジネスを作り上げたのは、壮絶な幼少期を過ごし、15歳でママになった中辻麗(なかつじ・うらら)。その実業家ストーリーに安田佳生が迫ります。

第31回 中辻ジュニア、全国から募集中

安田

中辻さんが経営を行う日本ポスティングセンターは、大阪を中心にやられていますよね。でもこうしてお話を聞けば聞くほど、中辻さんなら日本一、もしかしたら世界一のポスティング会社を作れるんじゃないかという気がするんです。


中辻

え〜そうですか?(笑)

安田

実際どうなんでしょう。「ポスティング王になってやる」みたいに思うことはありませんか。


中辻

さすがに世界一というのは大げさですが(笑)、日本全国のポスティングに対応ができる会社にしたい、という想いはあります。なかなか一筋縄ではいかないですが…。

安田

ポスティング事業でトップを目指す上で、中辻さんが思う「絶対に外せないポイント」ってどういうものでしょうか。


中辻

初心を忘れないこと、これに尽きますね。日本一高いけれど、必ず反響を出す。ここにどこまでこだわれるかだと思います。逆に言えば、ここを他のエリアで担保できるかまだ不安だから、まだ全国展開には踏み出せていないんだと思いますね。

安田

なるほど。反響を出す自信がないままエリアを拡大するわけにはいかないと。


中辻

仰る通りです。たとえば新しいエリアで事業を始める場合、まずはポスティングスタッフさんを大量に確保しなければいけません。そういう採用業務を進めながら、同時に彼らにお願いする案件を受注してこなければならない。このバランスを保つのがすごく難しいんです。

安田

確かにそうですね。採用しても仕事がなかったら困りますし、案件を取ってきてもスタッフがいなければポスティングできないわけで。


中辻

そうなんです(笑)。そういう意味では、既にポスティング事業をやっていて、かつ私たちと同じ志を持っている各地の会社さんに協力いただくのがいいのかな、とは思うんですよ。

安田

なるほど、FC(フランチャイズ)化するってことですね。


中辻

仰る通りです。全国展開する手段としてはFC化が一番スムーズだと思っています。ただそういう方向で進めるにしても、大阪で動いている案件の打ち合わせや、ポスティングスタッフさんの管理は誰がやるの? と。

安田

あぁ確かに。中辻さんが大阪の現場から離れてしまうと、これまでの品質をそのまま提供できなくなってしまうと。


中辻

ええ。それでは『日本ポスティングセンター』というブランドが傷ついてしまいます。逆に、大阪はすごいけど他のエリアはイマイチだよね、となるのもダメです。FC化するからには、すべてのエリアで高い水準を保つ必要があると思っているので。

安田

なるほど。ちなみに会社オーナーであるペイント王の久保さんは、全国展開について何か仰っているんでしょうか。


中辻

久保さんは以前からそうしたいと仰ってますね。ペイント王がFC化して拠点を増やしているように、日本ポスティングセンターもFC化して全国に広げていきたいと。

安田

なるほど。自分のエリアでうまくいった方法を全国展開するなら、経営者は当然FCやM&Aを考えますからね。


中辻

そうでしょうね。久保さんもああ見えて合理的な方なんで、そう考えているんだと思います。

安田

とはいえ中辻さんとしては、今はまだFC化を進めるタイミングではないと。先ほど「同じ志を持っている会社と」という話もありましたし、変に急いで大切なブランドを崩す訳にはいかないですもんね。


中辻

まさに仰るとおりです。久保さんからは「売上10億の会社にしてほしい」と言われているんですが、今のブランドを維持したまま作れるポスティングの売上って、せいぜい5億円くらいなんじゃないかなと思い始めていて。

安田

ほう、なるほど。では残り5億円については別事業で…というお考えですか?


中辻

ええ、無理をしてポスティング事業でそこを目指すより、別の柱を作ってそこで売上を作るほうが現実的なのかなと。

安田

私もお客さんには、1つの事業をあんまり拡大しすぎず、他の事業もやるといいですよって勧めてます。でも中辻さんに関しては、やっぱり「日本一のポスティング会社」を実現させていただきたい!(笑)


中辻

笑。でも確かに、大阪エリア外のお客様から「こっちでポスティングまでお願いできませんか?」とか言われると、やりたいなぁとは思うんです。

安田

なかなか踏ん切りがつかない、と。


中辻

依頼してくださるお客様の期待を裏切りたくないんです。私たちの仕事って形のないものを売っているんですよね。お客様は確証のないものに50万、100万と払ってくださる。それなのに利益をお返しできないなんてありえない。

安田

じゃあ全国展開を目指すならば、ちゃんとクオリティを担保した状態でFC化を進めるか、あるいは自社でより多くの人を育てるか。どちらかしか方法はないですよね。


中辻

はい、そうだと思います。

安田

FCで仕組み化して進めるのがまだ難しいのであれば、後者はいかがですか? 個人的には「中辻麗ジュニアを育てて、各都道府県に配置する」というのもアリな気がするんですよ(笑)。


中辻

私みたいな子を、50人近くも?!(笑)。

安田

ええ(笑)。中辻さんご自身も、若くして社会に出て、いろいろな大人に育てられて今があるって仰っていましたよね。だから昔の中辻さんのように、何らかの理由で社会に早く出なくてはいけなくなったけど、これから先どうしたらいいかわからない。そんな子たちを、今度は中辻さんが育成するというわけです。


中辻

あぁ、なるほど。じゃあ、野心に溢れて、負けず嫌いで、気が強い女性がいたら、ぜひ私に連絡ください。面談します!(笑)

安田

弟子入りさせてやるぞ、と(笑)。負けず嫌いな人がいいんですか?


中辻
そうですね。私、「周りよりも常にいい結果を出したい」「自分が中心にいないのは嫌だ」と思っていて。そういう自分の負けず嫌いところがすごく好きなんです。こういう性格って経営者に向いているんだろうなと。
安田
なるほど。じゃあ全国の負けず嫌いな少女で、私も中辻さんのようになりたい! 中辻さんと仕事をしたい! という方はぜひこちら(マメノキカンパニー)までご連絡ください!

対談している二人

中辻 麗(なかつじ うらら)
株式会社MAMENOKI COMPANY 専務取締役

Twitter

1989年生まれ、大阪府泉大津市出身。12歳で不良の道を歩み始め、14歳から不登校になり15歳で長女を妊娠、出産。17歳で離婚しシングルマザーになる。2017年、株式会社ペイント王入社。チラシデザイン・広告の知識を活かして広告部門全般のディレクションを担当し、入社半年で広告効果を5倍に。その実績が認められ、2018年に広告(ポスティング)会社 (株)マメノキカンパニー設立に伴い専務取締役に就任。現在は【日本イチ高いポスティング代行サービス】のキャッチコピーで日本ポスティングセンターを運営。

安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

Twitter  Facebook

1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 

感想・著者への質問はこちらから