国を動かす役人、官僚とは実際のところどんな人たちなのか。どんな仕事をし、どんなやりがいを、どんな辛さを感じるのか。そして、そんな特別な立場を捨て連続起業家となった理由とは?実は長年の安田佳生ファンだったという酒井秀夫さんの頭の中を探ります。
第19回 人口3000万人問題
そしたら、それを前提にした国の設計図を作っていかないといけないと思うんですよ。例えば今まで以上に都市部に人口を集中させるのか、江戸時代のように地方に分散させるのか。
そうですよね。選挙で忙しい政治家さんは置いておくとして、官僚さんはその辺りも考えてるんじゃないかと思うんですけど、どうなんですか?
ああ……。でもそれで先の大戦で大負けしたわけじゃないですか。撤退に失敗して。
それは確かにそうですよね。
だからこそ、これから独裁者になる人のためにマニュアルを書こうと思って(笑)。「独裁者になっても思い通りに国は動かすのはなかなか難しいですよ。だからこのマニュアル通りに進めてくださいね」っていう(笑)。
なるほど(笑)。そう考えてみると、独裁者ってカリスマ性はあるけど必ずしも政治のプロとは限りませんもんね。詳細な政策は持っていないかもしれない。
そうすると、どこか都市部に人を集中させて、「小さい日本」としてやっていくような選択も必要なんじゃないかと。
そうですね。週末は出稼ぎで東京に行って、後は九州で農業をやりながら暮らすみたいなやり方もできると思います。
1500万ぐらいじゃないですかね。
やっぱりそうですか。半分は東京エリアになると。
そうですね。ただ3000万人で考えるとしても、そのうちの労働人口は1500万人で、高齢者が1500万人というピラミッドになるので、出生率を2.0に戻すための対策は必要でしょうね。
そりゃそうですよね。でも2.0にするには結婚した方が3人以上産まないといけませんけど、そのためにはもう少し生きやすい国になっていないと。
単にお金を配れば解決する、という話じゃないでしょうね。人口減少も結局はライフスタイルの変化が要因なので、そこに効く施策が必要だと思います。
「独裁者マニュアル」ではどうなんですか?
そうですね、例えば育児を「選択制」にして、産んだけど育てないということを選べるようにして、その子は国が育てるとか(笑)。まあ、SFチックな話で、国が本当にそんなことを考えてるとなったら、大変なことになるでしょうけど(笑)。
でもそのぐらいやらないと出生率2.0を超えるのは難しいっていうことですよね。『独裁者マニュアル』いいですね。ぜひ作ってください。
対談している二人
酒井 秀夫(さかい ひでお)
元官僚/連続起業家
経済産業省→ベイン→ITコンサル会社→独立。現在、 株式会社エイチエスパートナーズ、ライズエイト株式会社、株式会社FANDEAL(ファンディアル)など複数の会社の代表をしています。地域、ベンチャー、産官学連携、新事業創出等いろいろと楽しそうな話を見つけて絡んでおります。現在の関心はWEB3の概念を使って、地域課題、社会課題解決に取り組むこと。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。