第113回「退職者がビジネスパートナーとなり売上を上げていく小さなブルーオーシャン」

このコラムについて

小さなブルーオーシャン?
何だかよく分からないよ。ホントにそんなので商売が成り立つの?

と思っている方は多いのではないでしょうか。何を隠そう私もそのひとりでした。私は人一倍疑り深い人間なのです。そこで・・・私は徹底的に調べてみることにしました。小さなブルーオーシャンなんて本当にあるのか。どこに行けば見られるのか。どんな業種なら可能なのか。本当に儲かっているのか。小さなブルーオーシャン探求の中で私が見つけた答えらしきもの。それはきっとみなさんにとっても「何かのヒント」になるはずです。

「退職者がビジネスパートナーとなり売上を上げていく小さなブルーオーシャン」


「日本で作った万年筆。売上の約85%を海外マーケットで。」

日本の伝統工芸品。
後継者がいなかったり、
見向きもされなかったり、
で廃れているものが
たくさんあります。

逆に海外では、
こうした日本の伝統工芸品は
人気みたいですね。

こうした伝統工芸品と
実用性のあるものを組み合わせ、
自社ブランド製品として
販売している会社があります。

大分県・豊後高田市にある
従業員数26名の企業、
株式会社ワンチャー。

売り上げの約85%を
海外市場で稼いでいると言います。

主力製品は万年筆。

輪島塗など伝統工芸の職人による
装飾加工された万年筆で、
自社サイトや外部のECプラットフォームで
販売していると言います。
これだけであれば、
どこでもやっているように思いますが、
製品の価値を
海外市場に訴求しているのは、
外国人社員なのです。

具体的に言うと、
26名の社員のうち
外国人社員の比率が約80%。
社内の公用語は英語。

Bruno /GermanyによるPixabayからの画像

2000年ごろから
外国人の採用に力を入れ始め、
英語でインターン的な体験ができる
会社として留学生たちには、
すぐに有名になったといいます。

しかし、多くの留学生は
いずれ母国に帰ってしまいます。
そこで、卒業生に母国で代理店を
立ち上げてもらうシステムを
作り上げていきます。

留学生たちは、もともと伝統工芸に
それほど思い入れがあるわけではないそうですが、
伝統工芸の価値を理解し、
技術そのものにも高い関心を
もつようになる人が多いといいます。

伝統工芸品を海外で販売
外国人社員を雇用し、
仕事を任せる。
退職者はビジネスパートナー。

全体的に逆説的で、
小さなブルーオーシャンを
創造しているような気がします。

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株式会社ワンチャー
URL https://jp.wancherpen.com/
所在地 〒879-0617 大分県豊後高田市高田2848-11
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佐藤 洋介(さとう ようすけ)
株式会社グロウスブレイン 代表取締役

大学(日本史専攻)を卒業後、人材コンサルティング会社に16年間勤務。ソフトウェア開発会社、採用業務アウトソーシング会社、フリーランスを経て、起業。中小企業の人材採用、研修に携わる一方で、大学での講義、求職者向けイベント等での講演実績も多数。人間の本質、行動動機に興味関心が強い。
国家資格キャリアコンサルタント、エニアグラムファシリテーター、日本酒ナビゲーター。

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