商品と顧客の定義

同じ会社で同じ商品を売っていても、
営業マンの業績には大きな差が出る。
それは営業力の違い、すなわち
スキルや達成意欲の差なのだろうか。

もちろん、それもあるだろう。
だがもっと根本的な違いがあることを
見落としてはならない。
それは売っている商品、そして
ターゲットとしている顧客の違いである。

同じ会社で同じ商品を売っているのに、
なぜ商品が違うのだ?こう感じる人は
残念ながら商売の基本が分かっていない。
商売とは「何を売るか」「誰に売るか」「どこで売るか」
「どうやって売るか」の組み合わせである。

売れない人の多くは
「どうやって売るか」ばかりを考えている。
だから売れない。
最も重要な問いは初めのふたつ。
すなわち商品と顧客の定義なのである。

たとえば自分の絵を販売したい時。
どうやって売ろうかと考える人は多い。
インスタにアップしてみよう。
Twitterもやってみよう。
ブログも書いてみるか。などなど。

もちろん売るための努力は必要だ。
だがそこからスタートすると選択肢は極端に少なくなる。
まずやるべきことは商品と顧客の定義である。
すなわち誰に何を売るかを考え抜かなくてはならない。

ターゲットは誰だ。
絵が大好きな人なのか。
自宅に飾る絵を探している人なのか。
絵に投資して儲けたい人なのか。
絵を使ってレンタル業をやりたい人なのか。

ターゲットが変われば売り方も180度変わる。
それは顧客から見た商品(価値)が違うからである。
どの顧客に合わせるかで商品説明を変える。
変えなくては売れないのである。

飲食店の仕入れに特化したスーパー。
近所の人をターゲットにした安売りスーパー。
高級食品に特化したスーパー。
特定の国からの輸入品スーパー。
これらを組み合わせたスーパー。

スーパーだけでも色んなモデルが存在する。
小売という範疇で考えればもはや無限と言ってもいい。
重要なのは顧客と商品である。

誰に、どんな価値として、商品を売るのか。
ここを徹底的に考え込んだ店と、
ほとんど何も考えずにやっている店。
街にはその両方が溢れかえっている。

商売のセンスを磨くなら街に出て観察することだ。
この店は誰がターゲットなのか。
商品価値をどのように定義しているのか。
街にはビジネスのヒントが溢れている。

売れる営業、売れるアーティスト、
売れるコンサル、売れる弁護士の共通点。
それは自分が最も売りやすい
顧客と商品を分かっていること。

 

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