このコラムについて
小さなブルーオーシャン?
何だかよく分からないよ。ホントにそんなので商売が成り立つの?
と思っている方は多いのではないでしょうか。何を隠そう私もそのひとりでした。私は人一倍疑り深い人間なのです。そこで・・・私は徹底的に調べてみることにしました。小さなブルーオーシャンなんて本当にあるのか。どこに行けば見られるのか。どんな業種なら可能なのか。本当に儲かっているのか。小さなブルーオーシャン探求の中で私が見つけた答えらしきもの。それはきっとみなさんにとっても「何かのヒント」になるはずです。
「自動販売機がつなぐ『関係構築の一杯』という小さなブルーオーシャン」
新型コロナの影響で、
テレワークが増えたのは
ここ3年くらいのことです。
会社に通勤することなく、
パソコン一つで、
どこでも仕事をする。
私も、会食以外、人と会う機会は、
ワークショップや研修の講師をする時くらいで、
ほとんどがオンラインになりました。
仕事の仕方ががらりと変わる一方で、
元の働き方、つまり「オフィス回帰」の
流れは進んでいるそうです。
そこで生まれた問題が、
対人関係問題だそうです。
「入社2年目の社員が考え出したコミュニケーション方法」
そんな中で、
新たなコミュニケーションツールとして、
社員同士の関係構築を促す
「ユニークな自動販売機」が
注目を集めています。
テレワークの普及により
対話不足が指摘される中、
社員2人で社員証をかざすと、
無料でドリンクが提供され、
社内交流のきっかけとなっています。
社員2人で、というのが肝ですね。
これを実施しているのが、
JR時刻表や業界紙などを刊行する交通新聞社。
「自販機きっぷ ¥0 当日1回限り有効」
社員に切符を模したドリンク無料券を配布
これを考えたのは、入社2年目の社員さん。
無料券は国鉄時代の「赤券」と呼ばれる切符を
忠実に再現。鉄道ファンが多い社員のハートを
つかんだそう。
自販機には「テイクアウト禁止」の文字。
近くに談話スペースがあり、
無料のドリンクはそこで飲むのだそうです。
趣味や経歴などが書かれたプロフィール帳を見ながら、
居合わせた社員とちょっとした雑談を交わすそう。
時には社長がいることも。
「無料ドリンクがコミュニケーションツールの一つに」
この無料ドリンクを通じた
コミュニケーションは、
コロナ禍の影響で仕事以外の交流が減った
若手社員にとって貴重な機会となっています。
企業ごとに個性的な運用方法が取られています。
マーケティングPRのトレンダーズでは
無限カードを活用し、
役職や部署の垣根を越えた交流が進んでいます。
さらに、人材派遣会社や建設会社でも
独自の取り組みが行われ、
コロナ禍で入社した社員とのコミュニケーションが
活発化しています。
「飲みニケーション」と呼ばれる
アルコールを飲みながらの交流は
支持率が低下しており、
ノンアルコールの自動販売機が
その代替手段として注目を浴びています。
清涼飲料を通じて就業時間内に
気軽にコミュニケーションを図ることができるため、
オフィス回帰の流れと共に需要が増しています。
コロナ前に比べ、同僚や先輩との相談機会が減少し、
悩みを抱え込んでしまう社員が増えている現状を受けて、
このような自動販売機は重要な役割を果たしています。
ちょっとした雑談から心の悩みを打ち明ける機会にもなり、
社員同士のコミュニケーションを円滑にすることができます。
社員が話しやすい職場環境を整える意味でも、
無料ドリンクを通じた関係構築は興味深いアプローチです。
オフィスに設置された自動販売機は、
ただのドリンク提供装置以上の役割を果たし、
新たなコミュニケーションの場に。
ふと思い出したのは、「喫煙所」
喫煙をしない人にとっては、
業務中にタバコを吸いに行く社員を見て、
「さぼりやがって…」
と思われていたかもしれませんが、
喫煙者からすると、喫煙所は
コミュニケーションを取る場と情報収集を
する場だそうです。
この喫煙所に近いのが、
自動販売機とスペース。
お茶と縁側
タバコと喫煙所
そして、自動販売機と談話スペース。
コミュニケーション課題を解決する
小さなブルーオーシャンでした。