この対談について
株式会社ワイキューブの創業・倒産・自己破産を経て「私、社長ではなくなりました」を著した安田佳生と、岐阜県美濃加茂エリアで老舗の葬祭会社を経営し、60歳で経営から退くことを決めている鈴木哲馬。「イケイケどんどん」から卒業した二人が語る、これからの心地よい生き方。
第103回 貯金と投資、どちらが得か
第103回 貯金と投資、どちらが得か

笑。私も確定拠出年金をやっているんですけど、そもそもこれって「自分の老後資金は自分で投資して貯めてね」というものじゃないですか。それで株を買うわけなんですが、実は多くの人が海外株を買うんですって。

海外企業の方が成長率が高いので、株の値段がどんどん上がっていくんですよね。あとは今、円安じゃないですか。15年くらい前にドルで貯金をしていた人は、今、円換算すると1.5倍〜2倍くらいになってるんですよ。

もともと日本人は自国に対する信頼が非常に強かったんですけどね。でも現実として、今は海外株や海外通貨を買った方が圧倒的に資産が増えていく。「日本のために円を持ち続けよう」と思っていたような人たちまで、海外株・海外通貨に切り替えているんだろうなと。

そうそう。日本人は圧倒的に「貯金」なんです。その総額は1000兆円とも言われています。でもね、それは言い方を変えると「円に投資している」ってことなんですよ。

若い世代は投資に対してのハードルも低そうですしね。僕や安田さんの世代って、汗水垂らして働くのが美徳だったじゃないですか。楽して儲けるなんてダメだっていう風潮があったというか。だからなのか、「投資」というものに漠然とした悪いイメージがある。

1億円以上する都内の高層マンションも、建てた瞬間に完売するそうですね。日本人からすればとても手が出ないわけですが、海外の人にとっては「すごくリーズナブルだ」と。自国で物件を買うより随分安く買えてしまう。

ええ。でもそれが当たり前になると、日本で働いて日本円で給料もらっているだけで貧乏になっていく感じがしてしまう。そのうち有名企業は全部外資に買われてしまって、ドル建てで給料を払ってくれるようになるかもしれないですね。
対談している二人
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。