この対談について
株式会社ワイキューブの創業・倒産・自己破産を経て「私、社長ではなくなりました」を著した安田佳生と、岐阜県美濃加茂エリアで老舗の葬祭会社を経営し、60歳で経営から退くことを決めている鈴木哲馬。「イケイケどんどん」から卒業した二人が語る、これからの心地よい生き方。
第134回 インフラ維持の限界に対抗するには
第134回 インフラ維持の限界に対抗するには

千葉県の『いすみ鉄道』というローカル線が、2024年10月に脱線事故を起こしたんですけど。実は未だに復旧していないんですよ。

線路の枕木が腐食しちゃっていたらしくて。要はメンテナンスができていなかったんですよ。当然、国としては線路を修理しない限り列車を動かすことにOKは出せないじゃないですか。ところが鉄道会社には修理やメンテナンスをするだけの資金力がないんですって。

そうなんです。実際、国や自治体が補助するべきじゃないかっていう声もいっぱい上がっているそうなんですが、いかんせん、今はもう国も自治体も赤字で。かといって増税なんてしようものなら国民は怒りますし。どうしたらいいんでしょうね?

難しい問題ですね。今の話で思い出したんですが、ウチの近くにも廃線危機の路線があるんですよ。名鉄広見線っていうんですけど。終点の御嵩駅には高校もあって。

そりゃそうですよね、商売ですから。というか、今は行政からの補助でなんとかなっているのかもしれませんけど、インフラは必ず劣化していくので、数十年単位でリニューアルする必要があるじゃないですか。でもこれから人口が半分になる時代に、昔と同じだけの予算をかけ続けるのは無理ですよね?

それは思い切ったアイディアですね(笑)。まあでも結局は、「税金はこれ以上払わないけど線路は維持しろ」というのは自分勝手な話で。維持したいなら自分たちでお金を出すか、代替手段のアイディアを出すかしかないと思いますよ。

ですよね? それが嫌な人は、自分の責任で好きな場所に住めばいいわけですから。いずれにせよ現状のままでは、インフラが劣化しても国はそれを補填できないので、新しい道を探していく必要がありそうですね。
対談している二人
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。


















