この対談について
株式会社ワイキューブの創業・倒産・自己破産を経て「私、社長ではなくなりました」を著した安田佳生と、岐阜県美濃加茂エリアで老舗の葬祭会社を経営し、60歳で経営から退くことを決めている鈴木哲馬。「イケイケどんどん」から卒業した二人が語る、これからの心地よい生き方。
第150回 下請け企業が生き残る道とは?
第150回 下請け企業が生き残る道とは?

ここ数年、新卒初任給がどんどん上がっていると言われていますけど、中小企業も賃上げをしていかないと生き残れない時代になってきましたね。しかもその賃上げは、巷で「自衛的報酬アップ」と言われているようで。

ああ確かに。下請け企業から元請け企業に「もっと値上げしてくれ」とはなかなか言えないですもんね(笑)。仮に言えたとしても、総元請けが仕事を受ける金額が増えない限り、下請けに払える分も増えていかないわけで。

そうなんです。そんな中で賃上げしろって言われても、非常に辛いと思うんです。逆説的に言えば、今後は自分たちが元請けになる、つまり直接マーケットと繋がるビジネスをしないと、生き残ってはいけないってことだと思うんです。

確かになぁ。まあ、これまでは効率化を重ねて、あらゆるムダを削り取りながらなんとかやってきた感じでしたけど。でもその方法ではもう限界なんでしょうね。「企業努力」だけではどうにもできない段階になっているというか。

そうですねぇ。かといって安いばかりでクオリティが低ければ誰も仕事は頼んでくれない。さっきの「会社と社員」の関係で考えてもそうですよね。バリバリ成果を出してくれる社員に「給与を上げてくれ」と言われたならまだしも、そうでないなら…

しかも外注先だったら雇用関係もないわけで、すぐに切られておしまいですよね。だからやっぱり下請け企業としても「ウチでしかできないサービスや商品」というものを持っていないと、この先ますますジリ貧になっていく気がします。

ああ、確かにそういう面もありますよね。BtoBの世界って、「この人に頼んでおけば円滑に回る」みたいなことがすごく重要だったりする。あるいは「あそこの社長、前に助けてくれたから、ちょっと高いけど今回も発注しよう」みたいな。

安田さんがよく仰っている「1人ビジネス」や「家族経営」ですね。

突然辞められることもないし、働き方がブラックだって労働局に駆け込まれることもない(笑)。たぶんこれが、中小企業が生き残っていくための現実的な道のような気がしますね。
対談している二人
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。


















