第64回 輪廻転生のルールを決める「なにか」の存在

この対談について

株式会社ワイキューブの創業・倒産・自己破産を経て「私、社長ではなくなりました」を著した安田佳生と、岐阜県美濃加茂エリアで老舗の葬祭会社を経営し、60歳で経営から退くことを決めている鈴木哲馬。「イケイケどんどん」から卒業した二人が語る、これからの心地よい生き方。

第64回 輪廻転生のルールを決める「なにか」の存在

安田
鈴木さんは職業柄、人の死や宗教観などに近いところで生きていらっしゃると思うんです。そういう方って、やっぱり実感として「輪廻転生」はあると思っているわけですか?

鈴木
そうですね。「生まれ変わり」はあると思います。ただ「カルマ」にはちょっと懐疑的ですけど。
安田
カルマって、「正しい行いをしていればよりよい来世になる」とか「現世で悪いことをしたら来世では虫になる」とかっていうことですよね。

鈴木
そうそう。よっぽど世の中のためにならない人生を送った人は虫になっちゃうのかもしれないですけど、僕は基本的に「人間は人間」に輪廻すると思っています。
安田
ふーむ。それで言うと、私はまず「世の中のためにならない」っていう部分が気になるんですよ。というのも、それって「人間側の理屈」じゃないですか。例えば殺人者は、人間社会では「悪人」で、つまり「世の中のためにならない」人です。

鈴木
ええ、当然そうなりますね。
安田
ところが他の動物や地球からの視点で見ると、「人間をたくさん殺すこと」ってもしかしたら「良いこと」になるのかもしれない。

鈴木
ああ、なるほど。地球全体で考えると、人間が多いことによる弊害が増えている。だからその原因となっている「人間」を排除することは、実はいいことなんじゃないのか、ということですね。
安田
そうですそうです。だから人間のルールで決めた「善人」「悪人」で来世が決まるのではなく、人間より上にいる「なにか」が輪廻のルールを決めているんではなかろうかと。

鈴木
その「なにか」って、「サムシング・グレート」のようなイメージですか? 偉大なる何か、原理原則、宇宙の意思…というような。
安田
そういう感じです! で、先ほどの鈴木さんの話に戻すと、私も人間は人間にしか輪廻しないと思っているんです。だって人間が虫になるなら、虫が人間になることもあり得てしまうわけですよ。

鈴木
理屈としてはそうなりますね。
安田
じゃあ虫の状態で、どうやって徳を積むんですか? 徳を積むカブトムシなんて、私、見たことないですよ(笑)。

鈴木
僕もないなぁ(笑)。
安田
そもそも「徳を積めば人間になれる」というのも、人間が決めたルールに過ぎないわけで。そう考えると、私も「生まれ変わり」はあると思いますが、あくまでも人間はずっと人間にぐるぐる生まれ変わり続けるんじゃないかなという気がしています。

鈴木

わかります。そもそも人間って「なんらかの役割」を持って生まれてきていると思っていて。そうでないと、自然の摂理として、遅かれ早かれ淘汰されていくはずじゃないですか。

安田
先ほど鈴木さんが仰っていた「サムシング・グレート」のようなものが、人間を存在させ続けていると。

鈴木
仰るとおりです。確かに人間のせいで環境破壊とか生態系のバランスが崩されているかもしれないけれど、それはあくまでも一時的なもの。サムシング・グレートによると、世の中は必ず良い方向に進んでいるんだそうですよ。
安田
へぇ、そうなんですね! それで言うと、今、社会問題にもなっている「人口減少」も、実は「良い方向」なのかもしれませんね。単純に、このまま人間が増え続けたら、物理的に破綻してしまうわけだし。

鈴木
ああ、確かにそうですね。地球としての「人口上限」は絶対ありますもんね。
安田
そうそう。ところで、地球にとってベストな人口ってどれくらいなんでしょうね?

鈴木
日本国内で言えば、江戸時代くらいの人口かなぁ。3000万とか4000万人くらい。
安田
今の3分の1程度ですね。私もそれぐらいの人口が適正数なんじゃないかなと思いますね。

鈴木
地球全体でみても、3分の1くらいまで減るのがちょうどいい気がします。
安田
地球の人口って、10億人を突破してからの増加ペースがものすごく速かったんですよね。そのペースのまま増えたらとんでもないことになるって言われていたけれど、ここ最近は、先進国ほど少子化が進んでいるじゃないですか。

鈴木
本当だ! ちゃんと「良い方向」に進んでいるとも言えますね。
安田
ええ。しかも少子化の理由もいろいろ言われているものの「これだ」という明確なものが特定されているわけではない。それこそ「サムシング・グレート」のようなものが働いているのかもしれないなと、鈴木さんのお話を聞いて思いましたよ。

鈴木
なるほどなるほど。なんだか「輪廻」の話からはずいぶん逸れてしまいましたが(笑)、とても興味深いお話でした!

 


対談している二人

鈴木 哲馬(すずき てつま)
株式会社濃飛葬祭 代表取締役

株式会社濃飛葬祭(本社:岐阜県美濃加茂市)代表取締役。昭和58年創業。現在は7つの自社式場を運営。

安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 

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