この対談について
株式会社ワイキューブの創業・倒産・自己破産を経て「私、社長ではなくなりました」を著した安田佳生と、岐阜県美濃加茂エリアで老舗の葬祭会社を経営し、60歳で経営から退くことを決めている鈴木哲馬。「イケイケどんどん」から卒業した二人が語る、これからの心地よい生き方。
第78回 ご葬儀、空き家ビジネス、その先は…
第78回 ご葬儀、空き家ビジネス、その先は…

ご葬儀と空き家ビジネスって、ビジネス形態としては全然違いますよね。でも鈴木さんがやられている「空き家ビジネス」も「御遺族に寄り添う」という意味では葬儀のお仕事と同じなんじゃないかなと。

言われてみれば、確かにそういう側面もあるかもしれませんね。ちなみに『のうひ葬祭』では「お客様の不安を安心に変える」というのをミッションにしていて。特に「老いから始まる不安」に特化しているんですよ。

ですよね。その不安を全部安心に変えることはできないですけど、軽減させるお手伝いはできるんじゃないかと。僕の中では空き家ビジネスもその1つで。老いから始まる不安の中に「空き家問題」もあって、それを軽減するためにこのビジネスをやっている。先ほど安田さんは「御遺族寄り添い業」と仰ってくれましたが、僕は以前から「ライフエンディングサポート業」だと定義していますね。

そうそう(笑)。結局、老いていく本人よりも、その周りの人…身内の方が不安に思ってしまうんですよ。今まで元気でやっていた親が入院しちゃったりすると、急に「親亡き後のこと」に現実味が出てきて、不安が押し寄せてくる。

ああ、まさに私の空き家ビジネスは「相続」に関するサポートの1つとして捉えているんですよ。というのも、亡くなられた方の90%は遺言書を遺してないんです。

仰るとおりで、皆さん困ってます(笑)。ともあれ本人からすると、「自分には遺言状を書くほどの遺産なんてないから揉めるはずはない」って考えているんです。でも実際はそんなことはない。やっぱり揉めちゃうんですよ。

せめて「遺産は法律通りに分けてね」って一筆書いておくべきですね。それがあるだけで遺された人たちも気持ちよく相続を進められるんですから。…鈴木さん、次のビジネスとして「遺言書ビジネス」っていうのはどうですか?

うーん…遺言書は僕らが書くことができませんからねぇ(笑)。でも確かに「遺言書を書くことの大切さ」を伝えていくのはアリかもしれない。自分の死後のことを考えることで、本人の不安もいくぶんか解消されるでしょうし。
対談している二人
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。