この対談について
株式会社ワイキューブの創業・倒産・自己破産を経て「私、社長ではなくなりました」を著した安田佳生と、岐阜県美濃加茂エリアで老舗の葬祭会社を経営し、60歳で経営から退くことを決めている鈴木哲馬。「イケイケどんどん」から卒業した二人が語る、これからの心地よい生き方。
第80回 26代遡れば、みんな家族?
第80回 26代遡れば、みんな家族?

それで言うと、日本人に限らず、人類はもとを辿ればアフリカの1人から始まっているわけでしょ? ということは「人類みな兄弟」。戦争なんて「兄弟同士の殺し合い」みたいになっちゃいますよね。

なるほどなるほど。実は僕、父が亡くなった時に「家系図」を作ってみたんですよ。

奥さんの方を合わせて8代くらい前まで調べました。そこで改めて思ったのが、自分で認識できるのは「曽祖父母」ぐらいなんですよ。だから感情的には、「先祖」と言えるのはそのあたりまでなんじゃないかなと思います。

確かにそうかもしれない(笑)。よく「たくさんのご先祖様のうち1にでも欠けていたら、あなたは今この場所にはいないんだ」という主張をする人もいますけど、そんなに過去まで遡っても、全然現実味がないわけで。

ちなみに日本人って、「移民」に対して厳しい意見を持っていることが多いじゃないですか。でもそれも20代以上遡っていけば、外国から来ている人もいるはずなんですよ。つまり現代を生きる私たちは皆「移民の子孫でもある」と言えなくもない。

それは個人個人が決めていいと思いますよ。自分が「この人は先祖だ」と思える範囲内を先祖とすればいい。あるいは「26代前のご先祖様のおかげで今の自分がいる」っていうのも素敵な考え方なんじゃないでしょうか。いずれにせよ自分にとっての「納得解」を探せばいいんじゃないのかな。

なるほどなぁ。じゃあ私は、「他人のように思える人でもどこかで血がつながっているのかもな〜」と思いつつ、「先祖」として敬うのは曾祖父母くらいの代までにしておくことにします(笑)。いやぁ今日も面白い話になりましたね(笑)。
対談している二人
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。