この対談について
株式会社ワイキューブの創業・倒産・自己破産を経て「私、社長ではなくなりました」を著した安田佳生と、岐阜県美濃加茂エリアで老舗の葬祭会社を経営し、60歳で経営から退くことを決めている鈴木哲馬。「イケイケどんどん」から卒業した二人が語る、これからの心地よい生き方。
第95回 60歳を過ぎたら、1人ビジネスを始めるべし
第95回 60歳を過ぎたら、1人ビジネスを始めるべし
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安田さんがよく仰っている「1人ビジネス」ですね。僕自身も緩やかに始めていますけど、やっぱりお客様に喜ばれると生きている実感がありますよ。でもどうなんだろうな、「こんな老人になってまでなんで働かないといけないんだ!」って思う人も多いのかもしれない。
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僕の周りにも「あとどれだけ働き続けなきゃいかんのかね〜」なんて嫌そうに言う人が多いです(笑)。でも、じゃあ働きもせず毎日何をやるんだって話ですよ。「何もすることがない」ことほど辛いことはないと思うんだけど。しかも収入がなければ貯金も減っていくばかりなわけでしょ?
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そうそう。かたや自分のやりたいことをビジネスにすれば、毎日張り合いを持って生きられて、お客さんにも喜んでもらえて、お金も稼げる。そのお金で孫にいろいろ買ってあげることもできるわけで、理想的じゃないですか。
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まぁ、会社に雇われている状態だと、いろいろとストレスがあるのはわかるんです。雇われていると嫌なことでも我慢しなきゃいけないし。でも「1人ビジネス」は自分が事業主ですから、嫌な上司もいないわけで(笑)。だから私は「60歳過ぎたら1人ビジネス始めること」を強くオススメしたいと思います。
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いやいや(笑)。実際、鈴木さんも『相続不動産テラス』をやられていますよね。「1人ビジネス」を快適に進めていくためのコツを教えて下さいよ。
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貸してくれる人がいるなら、借りればいいんじゃないですか? もっとも銀行は相手にしてくれないと思うけど(笑)。ただお金がある人に「こいつになら投資してもいいかも」って思ってもらえる事業だといいですよね。
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そうそう。お金はたくさんあるけど使い道がない人って、世の中にはわりといるので。そういう人に相談して「出資してください」って交渉するのはいいんじゃないでしょうかね。出資だったら「借金」にはなりませんし。
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そうですね。…こうして見ると、僕がやっている「空き家ビジネス」はこの条件にかなり当てはまっていますね。我ながらいい仕事を始めたもんです(笑)。ちなみに安田さんはどんな「1人ビジネス」を考えています?
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私はやっぱり「ビジネス相談」みたいなことですかね。今より儲かる事業を一緒に考えてあげるとか、新しい組織の作り方を考えるとか、それこそ1人ビジネスの立ち上げを手伝うとか。逆に言うと「それしかできない」わけなんですけど、それでいいんですよ。これまでの人生で培ってきたことを素直に活かせばいい。
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確かに。僕も今、相続した空き家で困っている人のサポートをしていますが、これも本業である「葬儀」の仕事から派生して出てきたビジネスなんですよね。僕の中では「遺族の役に立つ」ということが自分のやりたいことだったので。
対談している二人
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。