失敗と成功の関係

誰しも失敗はしたくない。
とくに人生に関わるような、
大きな失敗は避けたいものである。
いっぽうで“失敗は避けて通れない”
ということも事実だろう。

長い人生において一度の失敗もない
などということは不可能なのである。
成功もまたしかり。
どんなに不幸で、どんなに運が悪く、
どんなに才能がなくても、
小さな幸運や小さな成功を避けては通れない。

人生には成功も失敗もある。
これが大前提なのである。
その前提に基づいて解決策を考える。
すなわち人生においての、致命的な失敗を避ける方法。
それはいったい、どういうものだろう。

まず致命的な失敗とは何なのか。
死んでしまうこと。
死んだほうがマシだと思えるような状態になること。
これはもう生きているだけで辛い。

ではそのような状態を避けるために、
何に留意して生きていけばいいのか。
勉学に励むこと。
法律やルールをきちんと守ること。
あるいは社会的・経済的な
成功を収めることだろうか。

いや、そうとは限らない。
頭がいい人や社会的な成功者にも自殺者はいる。
しっかりルールを守っていても、
とんでもない貧困に陥る人もいる。
その分かれ目は単なる運なのだろうか。

だが長い人生において“ひたすら運が悪い”
ということなどあり得ない。
“ひたすら運がいい”ということもあり得ない。
では運以外の要素とは何か。
それは失敗の取り扱いである。

失敗と成功の関係を理解して、
正しく失敗を取り扱うこと。
それが致命的な失敗を避ける確実な方法なのだ。
では正しい扱い方とはどのようなものか。

そもそもの間違いは失敗しないことと
成功を混同してしまうことにある。
失敗しない人生は成功する人生ではない。
誰にも好意を抱かなければ傷つくことはないが、
それは致命的な失敗人生の始まりである。

失敗なき成功とは単なる運に過ぎない。
たとえば金持ちの家に生まれるという成功。
これは自分ではコントロールできない。
ではコントロールできる成功とは何か。
それは失敗から学ぶ成功である。

小さな失敗を積み重ね、
そこから学んで改善を繰り返すこと。
それがコントロールできる成功だ。
つまり運以外の成功は
失敗の先にしか存在しないのである。

では小さな失敗を恐れ、
避け続けるとどのようなことが起こるのか。
成功する機会を根底から失う。
その結果、取り返しのつかない
大きな失敗にたどり着いてしまう。
避けることで失敗は大きく育つのである。

 


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