ハイブリッド型組織のすすめ

普段から“雇わない経営”を強く主張しているせいか、
「安田は社員雇用を全否定している」
と思っている人が多いようだ。

だが私が言いたいのは、
社員をひとりも雇うなということではない。
雇用だけではもはや成り立たないことを
理解すべきだと主張しているのだ。

私が主張しているのは社員と業務委託による
ハイブリッド型の組織である。
「なんだ、それなら今までと変わらないじゃないか」
と思われる人も多いだろう。

確かに「正規雇用+期間限定の非正規雇用」
という形はパートやアルバイトと同じに
見えるかもしれない。
だが私が主張する組織は根本的に違う。

これまでの非正規雇用は
コスト削減と人数調整が主目的である。
つまりコアな業務はあくまでも正社員に任せる
という考え方だ。

正社員ほどの費用はかからず、
仕事が減れば人数を減らすこともできる。
クオリティーは期待できないが、
雇用の調整弁にはもってこい。
それが非正規雇用のイメージではないだろうか。

私が非正規雇用を強く勧める理由はまったく正反対。
つまり成果にコミットさせるためである。
はあ?と感じる経営者は多いはずだ。
信頼できるのはあくまでも正社員。
そう信じているのだろう。

だが現実はどうだろうか。
給料・休み・リモート勤務などの待遇は求めるが、
成果にコミットしているとは思えない。
言われたことはちゃんとやる。
だが何をすべきかを指示し、
それができるように育成するのは会社の役割である。

そう思っている社員は多い。
しかも手塩にかけて育てた人材も簡単に辞めていく。
現実を見よう。正社員が求めているのは安定だ。
言われた業務をしっかりやれば
雇用も昇給も約束される立場。

中には成長意欲が高く
桁違いの報酬を求める人材もいるだろう。
そういう人材はどんどんフリー化していく。
雇用など約束してくれなくてもいい。
スキルアップは自己責任だと考えるからだ。
私が勧めるのはこういうプロ・フリーランスである。

集客、商品開発、営業の仕組みづくり、
新規事業の立上げなど、突出した
スキルが求められる仕事は
短期間&高報酬で業務委託に依頼する。
真面目にこなせば利益が出る仕事は
長期間&定額報酬の正社員に振り分ける。

社員には成果ではなく真面目さとロイヤリティを求める。
業務委託には成果だけを求める。
業務委託は契約上、
社員のように一方的に辞めることも許されない。
これが次世代のハイブリッド型組織。

 

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