オリジナル商品の境目

何を売るか。誰に売るか。どうやって売るか。
基本的に商売はこの組み合わせで決まる。
その中で最も重要なものが商品である。
つまり何を売るか。現代ビジネスの勝敗は
ほぼここで決まると言ってもいい。

多くの経営者は「どうやって売るか」ばかりを
考えているように見える。
だがここで勝負して勝てるのは相当優秀な経営者か、
凄腕のブレーンを抱えている人か、
潤沢な資金を持っている会社のみである。

その勝率は1割にも満たないというのが私の肌感覚だ。
自身のマーケティング力や資金力に余程の余裕が
ない限り、ここで勝負することはおすすめしない。
まず勝てないからである。

普通の真面目な経営者が、
限られた資金でビジネスを展開したいのなら、
力を入れるべきは商品である。

最初に考えるべきは商品の二択だ。
既存の商品を売のるか、新たな商品を生み出すのか。
ここでの答えは決まっている。
新たな商品を生み出すのだ。

なぜなら既存の商品は、
価格を含めた売り方の戦いになるからである。
前述した通り余程のスキルか資金力がないと
ここでは勝てない。
普通の会社が生き残っていくには、
自社だけのオリジナル商品を生み出すほかないのである。

ちなみに「既存の商品」を「これまで買わなかった顧客
層に売る」場合はこのカテゴリーに入る。
ターゲットから見ればそれは新商品だからである。
これはゼロイチビジネスの範疇だ。

新たな商品とは「新たな価値の創造」に他ならない。
これまで認識していなかった価値を提示できれば、
それは新商品なのである。

オリジナル商品をつくると腹を決めたら、
次に考えるべきはその定義である。
先ほど述べた通り、顧客を少しズラすだけで
オリジナル商品は生まれる。
ここで重要なのはズラしとは何かということ。

単にターゲットだけを変えても既存商品は売れない。
それなら既に売れているはずだ。
ではズラしとは何なのか。
それは新しい商品コンセプトの立案である。
わかりやすく言えば、今まで買わなかった人たちが
「その商品を買う理由」である。

あなたがこの商品を手に入れると
こんなに素晴らしい未来が待っている。
このコンセプトが新しければ、それは新商品なのである。
オリジナル商品とは、
オリジナルコンセプトを持つ商品ということ。

オリジナル商品を手に入れたいのなら、
いきなり商品作りを始めない。
まずコンセプトから考える。
これが商品開発の鉄則なのである。

 

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