正しく面白い理屈

売れる営業マンにはいろんなタイプがいる。
時間をかけて関係を築いていく長期戦タイプ。
迷った顧客をその場でクロージングする速攻タイプ。
とにかく気が利くいつも気配りタイプなどなど。

リアルでの営業パフォーマンスを上げたいなら、
自分に合ったタイプの先輩を真似て学ぶのが一番早い。
しかしオンラインでの販売となると事情はかなり変わる。
リアルな営業にはオンラインでは使えないスキルが
多々あるからだ。

オンラインに活かすなら、営業マンではなく
エンジニアやクリエイターのプレゼン手法がいい。
なぜなら、そこには明確なロジックが埋め込まれて
いるから。

顧客との関係性やその場のパフォーマンスではなく、
商品(アイデア)そのものの価値で契約まで持っていく。
そのためにはロジックが欠かせないのである。

会話を盛り上げたり、相手の懐に飛び込んだり、
心地よい相槌で気持ちよくさせたり。
これは営業マンのテクニック。
そもそもエンジニアやクリエイターには
こういうパフォーマンスができない人が多い。

にもかかわらず高い契約率を誇る飛び抜けた人もいる。
そこに共通しているのが精度の高いロジックである。
紙に書かれた文章をたどたどしく読んでいくだけで、
相手はすっかり引き込まれてしまうのだ。
私はそれを販売ロジックと呼んでいる。

販売ロジックとは、この商品を買うべき理屈である。
「これこれこういう理由で、あなたは
この商品を買ったほうがいい」という理屈。
理屈なので筋が通っていなければならない。

なるほど、確かにその通りだ、
という納得感が必要なのだ。
とは言え、科学雑誌のような
エビデンスを並べても商品は売れない。
いくら筋が通っていても、
難しくて理解できないロジックでは意味がない。

簡単で、分かりやすく、なおかつ面白い話。
面白いから聞いてしまう。
分かりやすいから納得する。
いつの間にか商品が欲しくなっている。

筋の通った理屈を、いかに面白く
分かりやすいストーリーに仕立て上げるか。
ここが腕の見せ所なのである。

オンラインという販売シーンでは
人間のパフォーマンスは排除されてしまう。
残るのはロジックのみ。
そこではリアル営業のようなごまかしは効かない。

読みたくなる。引き込まれる。
面白い。説得力がある。欲しくなる。
顧客心理を操る文章。
そこに埋め込まれたロジック。
これこそがオンライン時代の
最強営業マンの姿なのである。

 

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