時代の流れがどんどん早くなっていく。一昔前なら会社の寿命は30年と言われていた。ひとつの事業を成長させ、その事業が成熟して衰退するまで約30年だったということ。今はとてもではないが1事業で30年は不可能である。長くて10年、平均すれば4〜5年が良いところではないだろうか。
その5〜10年の間にも組織や収益構造は激変していく。いや、激変させないと生き残れないと言った方がいい。それほどまでに社会変化は激しい。しかも変化の波は業界を超え、常識を超えてやって来る。これまでの延長上の経営判断は通用しない。著名なカリスマ経営者でさえ時代の波に飲まれていく。
会社を存続させるには数年ごとの事業創出と撤退が必須であり、新たな事業を構築するには時代に合った知識とスキルと感覚が不可欠なのである。こうなると経営者の寿命はどんどん短くなっていく。20代半ば〜後半に起業したとしても20〜25年が限界。50歳を超えて社長を続けることは難しいだろう。
過去の成功体験と組織の中でのカリスマ性が却って足枷になってしまう。本気で会社を存続させたいと願うなら、社員や顧客を守りたいと思うなら、自ら引き際を考える他ない。これは社員や顧客のためだけではなく自分自身のためでもある。引き際を逃したカリスマ経営者の末路は悲惨だ。
組織、財産、地位、名声、全てを失ってからでは取り返しがつかない。まだやれるという時が最後のチャンスなのである。とは言え50歳で仕事を辞めるのはとても勇気がいる。仮に食うに困らない財産が残ったとしても、人生のやりがいと張り合いがなくなってしまう。それは判断を鈍らせる要因ともなる。
すべての人がFIRE(早期リタイア)したいわけではない。日本人経営者はむしろ働き続けたい人のほうが多いだろう。そこで私がお勧めするのは引退前の副業とひとり法人の立ち上げ。人を雇わず、規模を拡大せず、やりたいことでしっかり稼ぎ、人の役に立っていく。新たな人生に必要なのは新たな役割だ。
後進をサポートするのもいいし、やりたかった事をやってみるのもいい。大事なのは人を雇わないこと。雇用するから事業承継が発生する。それでは本末転倒だ。誰にも迷惑がかからず、やりたいだけ続けることができ、自分を深め続けられる仕事。終の仕事を始めることで正しい辞め時が見えてくる。
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