日曜日には、ネーミングを掘る #012 ジャンプ

金曜日は
「ジャンプ」という会社の
設立10周年記念パーティでした

時代遅れと言われようが
バカバカしいことに全力
流行やスマートさとは無縁の
ジャンプのイベントであるが
今回も最初から最後まで
期待を裏切らない
はちゃめちゃで楽しい会であった

代表の増渕さんとは
彼が広告代理店にいたころ
とある上場企業の新卒採用企画の
コンペで会い意気投合して以来のつき合いで
社名をプレゼントさせてもらった

増渕さんは創業にあたって
「株式会社ポジティブ」という
社名を考えていたという
絶対いいと自分では思っていたらしい

ところが自信満々で創業メンバーに
告げたところ拒否られ
奥さんからも失笑をかう始末

なんかいい社名ないすかねぇ
と相談を受けたのだった

日本橋の馴染みの店で飲みながら
どんな会社にしたいのかを聞いてみた

そうっすねぇ
目の前にある課題を越えて
その会社の本質に踏み込む
そんな仕事ができる会社にしたいっすね

なるほどね~

それならジャンプはどう?

ジャンプですか?ジャンプかぁ
ジャンプ…ジャンプ

増渕さんは口のなかで
飴玉をしゃぶるように
その社名を何度か転がしていた

いいですね
ちょっとカミさんにも
聞いてみていいすか

もしもし俺だけど
いま佐藤さんと飲んでるんだけど
社名ジャンプでどう?

(うんうん)
(だよね)
(わかった)

カミさんもいいみたいなので
ジャンプでお願いします

あれから10年
当時30代だった創業メンバーたちも
40代になり少しばかしジャンプ力は
衰えたかもしれないけど
いろんなものを乗り越えた
いい顔をしている
創業後に加わった人たちもあわせ
メンバーも14名となり
その間一人の退職者もいないという
素敵な会社になった

人生において
ほとんどの人は会社に所属する
しかもとても長い時間
だから自分が働く会社の名前は
自分や家族の名前の次に
大切なものかもしれない

目にし
書き
口にするたびに
社名は自分の一部になっていく

ジャンプのみんな
おめでとう

少しは力になれたか

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