日曜日には、ネーミングを掘る ♯067 開かずの間力(あかずのまりょく)

今週は!

私事ではありますが、先日、
フリーランスのコピーライターになって、
30周年を迎えることができました。

思えば、鉛筆と原稿用紙の時代から
コピーを書いておりますので、
ツールやメディアが変わっていくなか、
よくぞ続けてこられたものだなと思います。

私の場合、田舎育ちのせいもあり、
過度なPRの類が苦手。
そのわりにはへんなプライドがあって
売り込みということもできない性格で、
仕事の広がりはほぼ100%リファラルでした。
従って今日の自分があるのは、
ほんとにいろんな人とのつながりの
おかげであると感謝しております。

とまあ、このようなことを
同世代や同業者と会った際に話しますと
「へー、そんなんで
よく30年できましたね。
なにか秘訣みたいなことはあるんですか」
と聞かれることがままあります。

「秘訣、秘訣ねぇ」と思いながらも、
「頑固にならず偉ぶらないことだよね」
とか「相手の期待をちょっとだけ
超えることだよね」とか
その場の思い付き程度のことを
お答えするわけですが。

ここにきてひとつ、
人とつながっていく上で、
大切かもしれないなぁと
思うようになってきたことがあります。

それは、
相手にとっての謎といいますか、
この人なんなの?と
思ってもらえるようなことを
用意して差し上げることです

少しばかり古い話になりますが、
ある金属メーカーの仕事で
研究員の方にインタビューを
させていただく機会がありました。

いろいろお話をしていくなかで、
その方の留学経験の話題となったわけですが、
途中でぴんときて
「ひょっとして留学先は、ドレスデンの
マックス・プランク研究所ですか」と
お尋ねしたら、研究者と
私の隣に座っていたディレクターが
「なんでわかるんですか」と
口を揃えてびっくりされたことがありました。

それは私がたまたま量子力学を巡る
20世紀初頭の話が好きで、
何冊かの本を読んでいたので
お尋ねできたことなのですが、
ディレクターにとっては、
私と量子力学は
まったく結びついておらず、
そのために発せられた一言だった
と思うのです。

と同時に「この人、なんなんだろう」
という謎が生じ、
好奇心の針が振れたのでしょう。
この出来事をきっかけに、
ディレクターさんとはとても仲良くなり、
人間関係も広がっていきました。

ほかにも郷里に降る雪の美しさだったり、
芭蕉や蕪村の俳句だったり、
世阿弥の残した言葉だったり、
ダミアン・ハーストの作品だったり、
私の好きな世界にあるいろいろが、
同じような役割を
果たしてくれることもあります。

人は基本的に理解したいと思う動物であり、
謎があると解きたくなってしまうものであり
そのことを通して他者と
つながっていくように思います。

その謎を生み出すちからに
ネーミングを施して、
今回のブログのタイトルとしてみました。

ブルー・オーシャン戦略は、未知の新大陸を探しだす作業ではありません。
新たなブルー・オーシャンは今いるレッド・オーシャンの中に無数に存在するのです。

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