小さなブルーオーシャンを追え
第29回『リクルート社のネットリテラシー』

ソルナ株式会社が開発した究極の履歴書。それがネットの履歴書』これまでの履歴書や職務経歴書とは何が違うのか。なぜ究極と言えるのか。その秘密に迫ります。

小さなブルーオーシャンを追え
〜ネットの履歴書〜

第29回『リクルート社のネットリテラシー』

 

安田

リクルートの辞退率予想って問題になったじゃないですか。

三澤

あれは結構ひどい。

安田

やっぱ三澤さんから見てもひどいですか?

三澤

ひどいと思います。辞退したくもないのに、勝手に「辞退しそう」とか言われたら。

安田

「辞退する可能性が高いですよ」ってデータですもんね。

三澤

学生がかわいそうというか、「それは怒られるよ」って話ですよ。

安田

でもリクルートって「情報管理のプロ」でしょ?

三澤

たぶん表に出ると思ってなかったんでしょうね。

安田

それはどうして?

三澤

リクルートの言い分としては「選考に使わないでください」という前提だったと。

安田

え!そうなんですか?

三澤

それを受けて買った企業も「うちは選考に使ってません」というリリースを出しました。

安田

そんなわけないですよね。

三澤

はい。そんなことを「言えば言うほど、言い訳がましくなるのに」って思います。

安田

それが普通の感覚ですよ。

三澤

あれでかなり「社会的な不信感」を呼びました。

安田

いや、不信感しかないですよ。

三澤

「選考には使わない約束です」というのがリクルートの言い訳。「ウチはまったく使ってません」というのが買った企業側の言い訳。

安田

でも、そんなの証明しようがないですよね。選考に使ってるかどうかなんて。

三澤

はい。証明はできないです。

安田

そもそも、ああいう商品をつくっちゃうこと自体、「リテラシーの低い会社」ってことになりませんか?

三澤

単純に持ってるビッグデータを「どうやったらマネタイズできるか」って考えたんでしょうね。

安田

単純すぎますよ。ちょっと考えられないです。

三澤

法的には「個人情報を集める時に説明しておけばよかった」という見方もできます。

安田

説明しておけば、訴えられることはないってことですか?

三澤

はい。今回は行政指導が入るみたいですけど。でも、あくまでも指導なので罰金とかはないです。

安田

社会の評判は著しく悪化しましたけどね。とくに学生から見たイメージ。

三澤

もともと規約がちょっとグレーなんですよ。

安田

グレー?

三澤

「ユーザー本人の同意を得ることなく第三者に提供されることはありません。ただ、行動履歴などは情報を分析・集計し、利用することもあります」みたいに書かれてまして。

安田

それって「データを加工して外部に提供する」ってことですか?

三澤

「選考に利用されることはありません」とは書いてあるんです。だから「選考には使わないでくださいね」という前提だった。

安田

でも使いますよね。

三澤

「出てきたら使うよね」って普通は思います。

安田

っていうか、選考に使わないんだったら買わないと思いますけど。

三澤

そうなんです。「選考に利用されることはありません」って言ってるのに、どう考えても利用されることが明らかなサービスとして売ってた。

安田

それって学生さんに訴えられたりしないんですか?

三澤

利用されたかどうかは分からないですから。

安田

まあ、選考に使われたという証明はできないですけどね。

三澤

はい。企業側も「落ちた理由」を説明する義務はまったくないので。

安田

永遠に闇の中だと。

三澤

買った企業側かリクルート内部の社内告発がないと無理でしょうね。

安田

社内告発ですか。

三澤

「実際使ってました」みたいな話が出れば、問題はブワッと大きくなります。

安田

それで落とされた人がいたりしたら、大炎上するでしょうね。

三澤

はい。名前がついてなかったら問題はないんですよ。「この大学の人は辞退しそうだ」とか「こういう属性の人は辞退する傾向がある」とかであれば。

安田

名前がついてたんですか?

三澤

ついてなかったら、こんなに問題にはならないですね。

安田

そりゃそうですよね。ついてなかったら選考には使いようがないし。

三澤

でしょう。

安田

法的には何が一番の問題だったんですか?

三澤

ユーザーの同意がなかったことがNGだった。

安田

ユーザーの同意?

三澤

「こういうことに使われるのなら登録をやめます」と言える状態になっていれば良かったわけです。本人が同意してれば何に使おうが問題ないので。

安田

就職に不利になると分かっていたら、登録なんてしないでしょ。

三澤

しないでしょうね。

安田

いずれにしても、求職者に嫌われたら成り立たないビジネスじゃないですか。

三澤

はい。

安田

普通に考えたら、あんなことやらない気がするんですけど。ショッピングのお客さんに嫌われるみたいなもんじゃないですか。

三澤

だから絶対にバレないと思ったんですよ。

安田

バレたらまずいという感覚はあったと?

三澤

それはさすがにあったんじゃないですか。

安田

いや、私は「バレたらまずい」という感覚自体が、麻痺してたんじゃないかって気がします。

三澤

かもしれないですね。

安田

もしソルナさんが「こういう商品リリースしようと思ってるけど、どうだろうか」っ相談を受けたら反対してました?

三澤

どういう同意を取ってるかですよね。それこそ採用に不利に働くことがありますっていうのを「イエス」って本人が書いてたらべつに問題ないんですけど。

安田

法的に問題なくても、そんなことしたら学生さんがリクナビから離れていく可能性がありますよ。

三澤

それはありますね。

安田

それって商売としてみたときに、すごくまずいと思うんですけど。

三澤

そうですね。まあ、この種のことはもう二度とやらないと思いますけど。

安田

いや、私はそうは思わないですね。

三澤

またやるってことですか?

安田

実際、一度でもやったってことは、かなりその部分のリテラシーが低いってことじゃないですか。

三澤

まあそうですね。

安田

会見での言い訳も「選考に使ってないから違法じゃない」みたいな。

三澤

そこはホントにグレーなんですよ。そもそも個人情報保護法って、ネット社会を前提に作られていないので。

安田

合法か違法かも大事なんでしょうけど。今や風評のほうが重要な時代じゃないですか。

三澤

風評がそのまま業績に直結しますからね。

安田

それこそがネットリテラシーですよ。

・・・次回へ続く・・・

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