ネットの履歴書
第77回『個人化する芸能界』

  • ソルナ株式会社が開発した究極の履歴書。それがネットの履歴書』これまでの履歴書や職務経歴書とは何が違うのか。なぜ究極と言えるのか。その秘密に迫ります。

小さなブルーオーシャンを追え
〜ネットの履歴書〜

第77回『個人化する芸能界』

 

安田

これ、「三澤さんに聞くようなことなのか?」と思いながら、今回も芸能界ネタなんですけど。

三澤

はい(笑)。大丈夫ですよ。

安田

最近、手越くんがジャニーズを辞めたのはご存じですか?長瀬君も辞めることが発表されました。

三澤

知ってます。

安田

ジャニーさんが死んでから辞める人が一気に増えてて。

三澤

はい。すごく多いイメージです。

安田

テレビ局が力を持ってた時代から、事務所が力を持つ時代に変わったじゃないですか。

三澤

ジャニーズ事務所なんかは、すごい力を持ってそうですよね。

安田

その力関係も「事務所から個人に移ってるんじゃないか」って気がするんですよ。

三澤

そうですね。確かに。

安田

SNSを使って、芸能人が自分で発信できるようになったじゃないですか。木下優樹菜さんもインスタのフォロワーが何百万人かいて。

三澤

確か400万人ぐらいいたはずですよ。

安田

はい。それで「自分のほうが事務所より力あるんじゃない?」って思い込んじゃったと。実際どうなんでしょう。事務所との逆転現象みたいなのは。

三澤

弱くなりましたよね、事務所が。昔みたいに「辞めたやつをテレビで使うな」ってことも出来なくなりました。

安田

法律も厳しくなりましたから。

三澤

それがいちばん大きいと言われてます。2番目がいまおっしゃったようにYouTubeとかインスタとか発信できる場が生まれて、そこでお金儲けができてしまうこと。

安田

ですね。

三澤

発信できる場があっても、お金がぜんぜん稼げなければテレビに固執すると思うんですけど。

安田

下手したらテレビより稼げちゃいますから。

三澤

ええ、儲かるわけですから。

安田

先ほどの「干される」というのも、本人に発信力があれば暴露できてしまいます。

三澤

ファンやフォロワーも黙ってないですよ。

安田

そうなんです。フォロワーが先に騒いじゃう。

三澤

「おまえ、ふざけんな」って、ジャニーズ事務所が叩かれちゃいますから。一般ユーザーというか国民がネットを介して力を持ち、お金を稼げる場があり、法律的にもそういう締め付けができなくなり。まさに今がチャンスですよ、独立する。

安田

事務所も大変でしょうね。育てた人が全員成功するわけじゃないので。赤字の人の投資分も回収しないといけないし。だから移籍も認めない、給料も安い、みたいな。

三澤

会社と同じですね。

安田

そうなんですよ。赤字社員の給料は黒字社員の利益から出すしかない。でもそんなことさせ続けたら、稼げるタレントがみんな独立しちゃう。

三澤

視聴率も下がってますし。テレビの力自体がものすごく低下しましたよ。

安田

いまって、テレビを買ったら最初からネットとつながってるので。リモコンのスイッチを押しただけでYouTubeになっちゃう。テレビ局の放送を見る必要がない。

三澤

10歳以下の子どもはもうテレビを見ないそうです。だから芸能人とか知らないって言ってましたね。お笑いタレントとかも。

安田

へえ。時代は変わりましたね。

三澤

世の中全体がだんだんそうなっていきますよ。

安田

手越くんって世間的には評判が悪くて「こんなやつテレビに出すな」って言われてるんですけど、ものすごい強固なファンがいるらしいです。だから余裕で食っていけるって。

三澤

別にテレビに出なくても稼げるでしょうね。余裕で。

安田

考えてみたら「ジャニーズ事務所のファン」なんていないわけで。そこに所属してるタレントのファンなわけですから。

三澤

そうですよね。

安田

手越くんのファンにしてみたら「手越くんかジャニーズか、どっちを取る?」って言われたら、間違いなく手越くんを選ぶでしょうし。

三澤

テレビ局はジャニーズをとるかもしれませんけど(笑)

安田

テレビに出さないことが出来たとしても、ファンに「あいつのフォローをやめろ」とは言えないし。干しようがないです。

三澤

そうですね。

安田

ファンと直接くっついちゃってる人は、事務所との逆転現象が起こると思います。

三澤

今後ますますそうなるでしょう。

安田

そう考えたら芸能人やスポーツ選手は、SNSでファンと繋がっておいたほうがいいですよ。でないと、いざという時に自分を守れない。

三澤

テレビがネットに勝てる要素って、今後もないですからね。

安田

テレビタレントの活躍の場もネットに移りますか?

三澤

ネットに移ると思います。ただ、いきなりYouTubeでタレントになるのは難しいです。テレビである程度知名度をつけてからYouTubeっていう、このラインはすごく相性がいいみたいです。

安田

じゃあテレビが踏み台になってしまうかもしれませんね。

三澤

そういう利用の仕方もあるでしょうね。ある程度認知されて人気が出たら「テレビはもういいよ」ってYouTubeに移っていく。

安田

木下優樹菜さんもインスタフォロワーが多いことで、テレビでも重宝されてました。

三澤

視聴率が稼げますからね。

安田

そうなんですよ。「この番組出ます」とか「この商品よかったです」とか発信すると、視聴率も上がるし商品も売れる。

三澤

そこも逆転現象が起きてますよね。ネットの影響力をテレビも認めざるをえない。

安田

事務所がネットでの活躍までサポートするようになっていくんでしょうか。

三澤

それが理想でしょうね。今回の木下優樹菜さんも、400万人フォロワーがいるインスタアカウントを消滅されてるんですよ。

安田

事務所にそんな権利があるんですか?

三澤

それはですね、事務所がアカウントをつくってるからです。

安田

あ、なるほど。

三澤

事務所がスタッフ総出で更新したり、木下さんの負荷を極力低くしてた。だから事務所に権利があるっていう。

安田

木下さん個人のアカウントではなかったわけですね。

三澤

はい。だから事務所と契約が切れた時点で、あれは使えなくなってるんです。

安田

なんでわざわざ閉じるんだろうと思ったら、そういう理由があったんですね。

三澤

自分でもう一度つくるのはアリでしょうけど。いまはタイミングが悪いですから。

安田

ここから学習しないといけないですね。タレントさんは「事務所と一緒につくるんじゃなくて、個人でやらないとだめだぞ」って。

三澤

そうなっていくでしょうね。今回の木下さんの例を見てるので。

安田

でもそうなってきたら、いままでのようにはピンハネできないですよ。テレビだったら個人で仕事が取れないので「CMのギャラ3億のうちの2億は事務所が持っていきます」ってことができましたけど。

三澤

ネットが主戦場になると難しいでしょうね。スポーツのエージェントみたいに「報酬の15%」とかになるんじゃないですか。

安田

ですよね。

三澤

テレビの力ももっと弱くなっていくでしょうし。そういえば前にホリエモンがフジテレビを買収しようとしたじゃないですか。

安田

はい。

三澤

いま改めて考えると、あのときにホリエモンがやってたことが「正しかった」と感じますよ。もしあれが実現してたら、テレビとネットの関係性は全く違うものになってたかもしれません。

・・・次回へ続く・・・

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