原因はいつも後付け 第20回 「売上を伸ばすために足りないもの」

// 本コラム「原因はいつも後付け」の紹介 //
原因と結果の法則などと言いますが、先に原因が分かれば誰も苦労はしません。人生も商売もまずやってみて、結果が出たら振り返って、原因を分析しながら一歩ずつ前進する。それ以外に方法はないのです。28店舗の外食店経営の中で、私自身がどのように過去を分析して現在に至っているのか。過去のエピソードを交えながらお話ししたいと思います。

《第20回》売上を伸ばすために足りないもの

「自分のお店に足りないものは何なのか?」
これは、売上が伸び悩んでいるお店のオーナーがよく考えること。

売上が伸びないのは、お店に何かが足りないからに違いない。だから、それを見つける事ができれば売上を伸ばす事ができるはず、という訳です。

確かにそれが当てはまる場合があることは否定しません。
ただ、これまで私が見てきた限りで言えば、売上を伸ばすために必要なものを探し続けた結果こそが、売上を伸ばす原因を潰してしまっている場合が多いのです。


「自分のお店の強みは何なのか?」

これを聞かれた時、お店の強みをいくつも挙げるお店があります。
なぜ、そんなにいくつも強みを挙げるのか?

それは、強みが多い方ほど、反応してくれるお客さんの数も増えると思っているから。

お店に足りないものを付け足していけば、それに応じて売上も増える。
そう考えてしまう事は自然なことなのかも知れません。

ただ、実際はどうなのでしょうか?
私は、ここに「増やすこと」の落とし穴があるような気がするのです。

私がお手伝いしている、あるオーナーのお店。
このお店の看板には商品が1つしか書いていません。
でも、このお店は流行っています。

先ほど挙げた考え方で言えば、明らかに情報不足。
にも関わらず、このお店が流行っている理由。
それは、「お店の強みが明確」だから。

「この商品を食べたいなら、うちのお店に来てください。」
というシンプルなメッセージがだからこそ伝わるのです。

つまり、売上を伸ばそうと思った時に考えるべきなのは、「足りない」ものを探すことではなく、「多すぎる」ものを削ること。

そして、これは何も飲食店に限った話ではないと思うのです。

「商品への反響がないから、商品ラインナップを増やしてみよう。」
「色んな会社から仕事をもらいたいから、ターゲットをもっと広げてみよう。」

こう考えてしまうのも、付け足せばそれだけお客さんが増えると思ってしまうから。

ただ、多すぎるものはかえってその特徴をぼかし、増やせば増やすほど、誰にとってのお店なのかが分からなくなっていきます。
だから、多すぎるものを削って、残った強みを引き立てる必要があるのです。

売上が伸び悩んでいるお店に足りないもの。
それは、お店に足りないものを探し続けた結果、増えすぎてしまったお店の強みや商品を「削るという決断」なのだと思います。

著者/辻本 誠(つじもと まこと)

<経歴>
1975年生まれ、東京在住。2002年、26歳で営業マンを辞め、飲食未経験ながらバーを開業。以来、現在に至るまで合計28店舗の出店、経営を行う。現在は、これまで自身が経営してきた経験をもとに、これから飲食店を開業したい方へ向けた開業支援、開業後の集客支援を行っている。自身が経験してきた数多くの失敗についての原因と結果を振り返り、その経験と思考を使って店舗の集客方法を考えることが得意。

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