【GlobalPicks/vol.119】コロナ後の世界(No.2)

GlobalPicks 〜海外の情報を読み解いて、ビジネスに付加価値を投薬する方法〜
著者:小出 紘道



先週までは「シリーズ コロナ後の世界」と題し、Skiftというサイトから「 今後消費トレンドはどう変わっていくのか?」を紹介しました。
今週以降も引き続き「シリーズ コロナ後の世界(No.2)」をやっていきます。

Accenture(アクセンチュア)のwebから「 経営サイドはコロナの環境下でどのようにビジネスを再開させるべ きか?」についての論説を拾ってきましたので、 紹介していきます。

今回の記事はコレ↓

COVID-19: 5 priorities to help reopen and reinvent your business
COVID-19:ビジネスを「再開」し「再発明」 するために優先すべき5つのこと

[https://www.accenture.com/mu-en/about/company/coronavirus-reopen-and-reinvent-your-business]

単にビジネスをreopen(再開)するのではなく、 reinvention(再発明)することこそが重要だ、 と言っています。
で、reinventionのために、経営サイド/ リーダーサイドとして、下記の5つの「大事なこと」があるよ、 という論説です。

1. Put People First
2. Design Spaces That Work
3. Solve in Phases
4. Commit to an Elastic Cost Structure
5. Get Future-Ready

1. Put People First(人優先主義)
Our COVID-19 consumer research found that over 64% of the global workforce is facing high anxiety over their personal job security. Others are worried that traditional social interaction may no longer be possible.

COVID-19についての調査で、世界の労働人口の64% が「今後も職を確保できるか?(失業しないか?)」 という大きな不安に直面していることが分かった。

 

上記の前提に続き全文を読んでみました。
「自分の職は大丈夫なのか?(失業しないか?)」 という不安が世界中で蔓延している中で、リーダーが「 しなければならないこと」として論じられていたことは
・同情(共感)を持って社員と「コミュニケーション」しよう
・ライフコーチやメンタルサポートプログラムで社員の「 ストレスマネジメントを支援」しよう
・社員だけではなく、その「家族のこともサポート」しよう
という点です。

さて、元々の「社員サイド」の心配事(世界の64%) を思い返してみると「私は失業しないか?」だったわけです。

それに対してリーダーは「同情や共感を示したり、 ケアプログラムを用意したり、家族の心配をしたり」 しましょうね、ということがアドバイスされています。
もう一度繰り返しますが「問い」は「私は失業しないか?」 でした。

「人優先主義」というならば、真っ先に経営/ リーダーが宣言すべきは
「あなたは失業しない」という、この1点ではないでしょうか?

そうなんです。特に欧米型大企業は「あなたは失業しない」 を宣言できないところに「弱みと強み」が共存しているわけです。

Withコロナの環境下で「今後自分の職が失われないか不安だ」 というメンタル状態で働くことで「生産性が下がる」 ことが全世界で課題になっている、という論調をよく見かけます。

「職に対する不安」と「生産性の低下」 に一定の因果関係があるのであれば、「 職に対する不安を払拭すること=生産性の向上( または低下の防止)」となります。ですから「 あなたは失業しない」と自社の従業員(正規非正規問わず) に宣言すると、競合に対して「生産性」 の観点で優位に立つことが出来る、 とも言えるのではないでしょうか?

もちろん「売上が減少」する中で「人員削減をしない( または人件費削減をしない)」という意思決定は「収益の悪化」 をダイレクトに招く「愚策」の一面もあるでしょう。
でも「職の安全意識が、労働生産性に影響する」 という仮説を信じ切って『職の安全宣言』をしてみる、 という一手は一考の余地あるのではないでしょうか?

そういえば、小池都知事が二年前に「築地→豊洲」案件で『 食の安全宣言』をしてましたが、 もうそんなNEWSはどこへやらですね。 なんだかなつかしいですね。
最近は「8割おじさん」からの「東京アラートお●さん」 としての活躍が目立ってますね。

なお、●は「女へんに市」。悪しからず。

 


「本コラムと、本業ビジネスとの関係」(著者・小出紘道より)

本業ビジネスでは「マーケティング&戦略コンサル」の仕事と、「高付加価値情報提供サービス」の仕事をしています。本コラムは後者の「高付加価値情報提供サービス」の初級編としての入り口となればいいな、と思ってます。世界の誰かが”既にかなり研究したり、結論を出している”にも関わらず”日本では流通していない数値情報や文字情報”がたくさんあります。それらの情報を、日本のマーケットにフィットするように編集・分析すれば「競合他社」や「競合他者」を出し抜ける可能性が高まります。法人向けのサービスとなっていますので、詳細はFace to Faceでお伝えしますね。

著者情報

小出紘道 (HIROMICHI KOIDE)

◆株式会社シタシオン ストラテジックパートナーズ
代表取締役社長
http://citation-sp.co.jp

◆株式会社シタシオンジャパン
取締役会長
http://www.citation.co.jp

◆株式会社 イー・ファルコン
取締役
http://www.e-falcon.co.jp

<いわゆる経歴>
・2000年 株式会社東京個別指導学院に新卒で入社して、11ヶ月だけ働いてみた(→早めに飽きた)
・2001年 イギリスに行って、University of Londonで経済と国際関係を学んだり、Heriot-Watt Universityで経営学(MBA)をやってみた(→めちゃくちゃ勉強した)。この間に、イギリス人の友人とロンドンで会社を作ってみた(→イマイチだった)
・2003年 シタシオンジャパン社でマーケティングをやり始めてみた(→ろくにエクセルも使えなかった)
・2007年 シタシオンジャパン社の代表取締役社長になって経営をやってみた(→やってみてよかった)
・2018年 シタシオンジャパン社の社長を仲間に託し、引き続き会長としてコミットしつつも、シタシオンストラテジックパートナーズ社を設立してみた(→今ここ)

 

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