第44回「収入への執着」

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自覚して生きている人は少ないですが、人生には必ず終わりがやってきます。人生だけではありません。会社にも経営にも必ず終わりはやって来ます。でもそれは不幸なことではありません。不幸なのは終わりがないと信じていること。その結果、想定外の終わりがやって来て、予期せぬ不幸に襲われてしまうのです。どのような終わりを受け入れるのか。終わりに向き合っている人には青い出口が待っています。終わりに向き合えない人には赤い出口が待っています。人生も会社も経営も、終わりから逆算することが何よりも大切なのです。いろんな実例を踏まえながら、そのお話をさせていただきましょう。

第44回 収入への執着

【フリーランスは会社を持とう】

フリーランスは会社をもつ意味はあるのか?
とよく言われます。

会社員→自分の会社→会社員→自分の会社
と転職(?)をしてきた私は、
株式会社を存続させて10年経ちました。

本当はずっと自分の会社を運営していく
つもりだったのですが、
一度海外に住みたいという思いが勝り、
会社員として働かせていただきました。

独立に対して、
世間の人が想像するほど
強い思い入れもありませんし、
10年の間、コストだけかかるのが
自分の会社だとも思えたりします。

ただ、そんな私から、
言わせてもらえるのであれば、
フリーランスこそ、
自分の会社を持つべきだと考えます。

【個人と会社】

なぜ、私のようにわざわざ経費をかけてまで、
自分の会社を持つのでしょうか?

それは会社を持つほうが、
自分の能力を発揮できる可能性が広がると
経験上実感しているからです。

例えば、
個人の生活と会社の経営は、
同じ支払いをするにしても全く違います。

フリーランスだと、
売り上げすべてが
「自分の取り分」だと感じてしまい、
稼いだ利益から未来へ投資することを
ためらってしまいます。

個人として払うのか、
会社として払うのか。
お金に名前はありませんが、
お金の使い方が変わってくるのです。


【貯蓄と投資は違う】

私が、フリーランスは会社を作るべきという
理由はそこにあります。

個人と商売の財布が一緒のフリーランスは、
一生懸命ためたお金1000万は
使うのにためらいがあります。
思い入れがあるからです。

会社として考えるなら、
1000万を再投資して
商売を広げていくということを
していかなければ、
会社の未来はありません。

ということは、
最初から自分の取り分(貯蓄・消費)と、
会社の取り分(未来への投資)を、
分けておいたほうが、
商売が発展するはずです。

 

【投資して成長するために】

世の中の流れはとても速く、
個人でキャッチアップするのはとても難しいです。

フリーランスで生きていくにしても
今稼げている理由を自分で把握するのは、
並大抵でありません。
いくら自分に投資して、
いくら収益が上がっているのか。

それを理解していくためには、
個人の金銭感覚とビジネスの投資感覚を
分けて考える必要があります。
それなら、
自分の会社という別人格をつくって、
ビジネスを成功するための
投資感覚をつくるのが良いと思いませんか?

会社を作る意味は、
収入への執着を断ち切るということです。
そうすることで、
自分の可能性が広がるのがわかるはずです。

個人収入の出口は、自己満足に直結します。
会社のお金の出口は、成長への投資なのです。

 

 

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- 著者自己紹介 -

人材会社、ソフトウェア会社、事業会社(トラック会社)と渡り歩き、営業、WEBマーケティング、商品開発と何でも屋さんとして働きました。独立後も、それぞれの会社の、新しい顧客を創り出す仕事をしています。
「自分が商売できないのに、人の商品が売れるはずがない。」と勝手に思い込んで、モロッコから美容オイルを商品化し販売しています。<https://aniajapan.com/>
売ったり買ったり、貸したり借りたり。所有者や利用者の「出口」と「入口」を繰り返して、商材を有効活用していく。そんな新規マーケットの創造をしていきたいと思っています。

出口にこだわるマーケター
松尾聡史

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