プロ野球を見ていると
5割が重要なラインであることに気がつく。
勝率5割を維持していれば優勝争いに加わっていける。
5割を下回るとBクラスがほぼ確定する。
5割ラインを1勝でも超えれば優勝する可能性はあるが、
1勝でも下回っていればその可能性はゼロだ。
これは野球に限ったことではない。
たとえば相撲なら5割を超えれば番付が上がる。
すなわち給料が上がっていく。
5割を下回れば番付と給料が下がっていく。
まさに生死の境目がここなのである。
会社でも5割は生死の境目だ。
収入と支出のどちらが5割を超えているか。
ほんの少しでも黒字を維持すれば会社は存続する。
銀行も喜んで融資してくれる。
ほんの少しでも赤字が続けば会社は倒産する。
銀行は金を貸さない。
では5割を維持するにはどうしたらいいのか。
負けないこと。赤字を出さないこと。
もちろんそれができれば
5割ラインを大きく超えることができる。
だがそれは戦略としてはイマイチである。
なぜならそこには継続性がないから。
負けないことを前提とした戦略は
単なる気合でしかない。
絶対に打てと言われたら打席に立つことはできない。
絶対に赤字を出すなと言われたら
商品開発などできない。
だから成長は持続しない。
重要なのは負けないことではなく
負けを計算することである。
どこで負けるのか。どれだけ負けられるのか。
そこをコントロールする。
ではどうやって負けをコントロールすればいいのか。
やるべきことはシンプルである。
たったふたつのことを実践するだけでいい。
取るべき戦略は先勝と連敗阻止である。
まず勝つこと。これで貯金は1となる。
次の日は負けてもいい。
だが連敗してはいけない。
負けた次の日には必ず勝つ。
ここが重要なのである。
当たり前の話だが、
先勝して連敗しなければ勝率は必ず5割を超える。
それどころか優勝する可能性が高い。
常勝軍団はこの法則をとても重視している。
だからつまらない。
なぜならドラマチックではないから。
大きく負け越してからの逆転勝利ほど
盛り上がるストーリーはない。
だがそんなことは滅多に起きない。
起きないからドラマになるのだ。
メークドラマは戦略ではなく単なるギャンブルだ。
2連敗したら3連勝しなくてはならない。
3連敗したら4連勝しなくてはならない。
連敗すればするほど奇跡が必要となる。
負けを計算した日にしか負けない。
それが勝者の法則なのである。
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