こんにちは。安田佳生のゲリラマーケティング。ナビゲーターの栃尾江美です。
睡眠不足は生命力と消火活動と老いを加速させるので、睡眠が人生で最も重要な活動のひとつだと実感します。金子亜佑美です。
安田佳生です。ラム酒?
はい。……よいですか?
はい、よいです。
今回は私が気になってることをテーマとして取り上げてくださるということで、私から質問というか、モヤモヤしてることを言わせていただきますけど(笑)。贈与とかギブについて、私たち「GIVEの実験室」というコミュニティをやっておりますけれども、そうじゃないコミュニティで「世界は贈与でできている」みたいな本が流行ってたりとかして、私は残念ながら読んでないんですけれども、贈与みたいな考え方を結構みんながしてるんですね。「これがギブだから」みたいな感じで言ってるんですけど、「私は仕事を、見積りをとって、ちゃんともらわないと」みたいな感じで話をすると、「とっちーはギブしないほうの側の人だ」みたいな感じでなんとなく見られてる気がしていて、ちょっとモヤモヤしてて、その境目みたいなものってどこなのかなとか、このポッドキャストでも何度も話してるかもしれないんですけど、なんとなく、質問としてうまく言えないんですけど、モヤモヤしてるところがございます。
栃尾さんは「自分はもしかして贈与が足りないんじゃないか」と思ってるわけですか?
あ~、「足りないんじゃないか」って思ってはいないですね、正直。
ふーん。
ふーん。
でも、その本に書かれてる贈与の定義がまずわからないんですけども、結構ギブはできる限りしてるつもりなんですけど、とはいえ、ちゃんともらうとこはもらわないと、余裕がなくてギブできなくなっちゃうので、そこをちゃんとやりたいなと思ってる感じです。
それは実際に友だちに言われたんですか?「ギブが足りないよ、あなたは」って。
なんかですね、「そこはお金をもらわないとできない」みたいなことを言ったときに、「そんなやつは大したことない」みたいに言われましたね。
ひどい!
へぇ~。
そういう言い方じゃないにしても、ちょっと、まあ、その人も感情的になってたかもしれないですけど、そんな感じのことを言われました。
あら。なるほど。
それでモヤモヤしてると。
そうなんですよ、はい。
あららら。
なるほど。「贈与」ってなんかすごい壮大なテーマですけど、友だちに「ケチだ」って言われて、ちょっとモヤモヤしたっていう、そういう感じですか?
そうだ!そういうことですね、「このケチめ!」って(笑)。そうだそうだ。
(笑)。そんなことないよ。
どうなんでしょうね。でも、僕は話聞いてると、その相手の方のほうが贈与っていうかお金に縛られてる感じがしますけどね。
おぉ~、どういうことなんですか?
おぉ!
なんか、「お金をもらうと贈与じゃない」とか「お金をもらわずにやるから贈与だ」っていうのがおかしいと僕は思いますね。
へぇ~。
たとえば、おいしいご飯をお店で食べさせてもらって、お代を払うと「それは贈与じゃないのか」って言われると、僕はすごいその人が一生懸命おいしいものをつくってくれて、ありがたいなと思いますし。で、お礼言うのとお金払うのと、あんま変わらないっていうか、どっちもあってもいいんじゃないのって思いますけどね。つくるにはやっぱり材料代もいるし、その人も生活していかないといけないから、「いただいてありがとう」って思うけど、だけどちゃんとお金も払うっていう、それでも贈与は成り立ってるんじゃないかと思いますけど。
おぉ!うんうん。私は江美さんにいっぱいもらってるんで、いろんなこと。
(笑)
ほんとにそう思います。
なるほどね。
たとえば金子さんが何か曲を歌ってくれたりとかして、僕がそこにギャラを払いましたけど、やっぱり「つくってもらった感」ありますよ。
あぁ。
いただいた感?
で、それをタダでやってくれて、つまり僕がギャラを払ってなければ「うれしいな」っていう気持ちが減るかっていうと、べつに変わらないですね。関係ないですね、そんなこと。
あ~。
相手の人が、なんていうんでしょう…贈与をものすごい狭く捉えてる気がしますけどね、ギブ&テイクというものを。「金もらったらギブ&テイクじゃない」みたいな。「じゃあ物でもらえばいいのか」とか「言葉だったらいいのか」とかってことになるわけで、相手のことを一生懸命考えて何かやってあげたら、それは贈与なんじゃないかと思いますけど。
なるほど。結構一般論的に「お仕事をするのとお金をもらうのは等価交換である」みたいに言われますけれども、そうではないっていう感じですか?
「お金になることしか仕事じゃない」っていう意味ですよね、それはつまり。
うーん、なるほど。
僕は、だから、たとえば子育てとか、子どもからお金をもらわないけど仕事だし、何か人の悩みを聞いてあげるとか愚痴を聞いてあげて、そのかわり自分も今度は愚痴を聞いてもらうっていうときに、愚痴を聞いてあげたときにお金をもらって、今度は自分が聞いてもらうときにお金を渡すと、それも等価交換だけど、べつにお金が介在しなくたって一緒じゃないですか。
はい。
うん。
ただそれだけのことだと思うんですけどね。
うん。なんか、そもそも人に対して「君は贈与が足りない」とか何たらって言うのは、ちょっとだめですよね。
おっ。
(笑)。私が過剰にそう思っちゃっただけかもしれないけどね。まあそうね、たしかに。私、特にギブとか贈与で思うのって、自分が主体的にやるのはいいんですけれども、「あなたはギブが足りない」とか「あなたはギブすべきだ」みたいなことを、人が言うものではないんだろうなとは思ってるんです。
まあ、人に言うことじゃないですよね。
そうですよね。自分がやるからこそ意味があるっていうか、「この世界はギブが足りない!」みたいに言って、いろんな人にギブさせようとするみたいなのって、なんか、間違ってるとまでは言わないですけど、違うな、みたいな気持ちなんですよね。すごいモヤります、それも。
そうですねえ。
はい。
うん。
まあ、わかるような気がします、それは。
うん、わかります。
うん。結局それってギブじゃなくて強制させられてるみたいな、「これやらないと嫌われちゃうから、やんなきゃ」みたいな、強制みたいな気がしちゃうんですよね。
うん。
まあ、そういう世界になるとすてきだなあとは思いますけどね。自分のことがいちばん大事なんだけど、とはいえ100:0じゃなくて、ちょっとは人のことも考えようとか、家族も大事だけど、他の人のこともちょっとぐらいは考えようっていう、その「ちょびっと」で世界はつながっているんで。
はい。
あー、すてき。
でも、それがメインにはならないとは思いますけど。やっぱり地球の裏側で人が100人死ぬより、自分の子どもが死ぬほうが人はつらいわけで。
はい。
うーん、そうですね。
そこを変えようっていうのは無理な話なんで。
うん。
うん。
だから、まあ、なんでしょうね、ひとりひとりがそういう気持ちをもって生きていきゃいいだけのことだと思いますけどね。できる範囲でやりゃいいんじゃないですか、やっぱり。
そう思いますよね、やっぱり。
余裕のある人がいたりとか、ギブが好きな人がいたりとか、できるスキルがある人がいたり、スキルがなかったりとか、いろいろですからね。
はい。
うん。ギブをするのは本当にスキルなんですかね。なんか、むずかしいなと思いますよね。むずかしいなと思います、私は。
(笑)
(笑)。なんか、私は結構テイカーになってしまうから、本当にどうしたらいいかわからないっていうのもあります。もらいっぱなしっていう感じで。
いや、そう思ってるところが亜佑美ちゃんのかわいいところっていうか長所だよね、たぶん。謙虚っていうかね。
でも、なんていうんでしょう、ギブさせてあげるのも贈与のひとつかもしれませんよ。
あ~。
おー、むずかしい。そうなんだ。
わかりますわかります。
あげるのとか、おごってあげるとか、教えてあげるとか、何かやってあげるのが大好きっていう人もいるし。やってもらうのも気持ちいいけど、やってあげるほうがもっと気持ちよかったりするんで、結局、人間は自分が気持ちいいことをやってるんだと思いますけどね。より快適だからやるだけであって。
たしかに。私も亜佑美ちゃんの相談にのるのうれしいもんね。
あー、ありがとうございます。何度助けられたことか(笑)
そうなんでしょうか(笑)。だから、すごいわかりますね、安田さんがいまおっしゃったことは。
そうですね。
「私が救われてる」みたいな面は大いにありますね、たぶん。
へぇ~。泣ける。
(笑)
他人に対して本当に100:0で、0.1も自分以外の人間に何もしたことないっていう人は、たぶんいないと思いますけどね。
はい。
お金もらわずに何かをやることが贈与だって思ってるから、それが見えなくなっちゃうんじゃないですかね。
うん、たしかに。
うん。
だから「お金払ってるほうが偉い」みたいになるんだと思いますけどね、「こっちが客だ」とか。
はいはいはいはい。
ということで時間になっちゃったんで、最後にその友だちの悪口でも言って締めてください。
どうしよう(笑)
聞きましょう。
お金に縛られてるのはどっちだ!っていうことですかね。
ははは(笑)
ああ、ほんとそうですね。
大丈夫かな、これ(笑)
ということで、本日は以上です。ありがとうございました。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
*本ぺージは、2021年3月31日、ポッドキャスト「安田佳生のゲリラマーケティング」において配信された内容です。音声はこちらから
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