【vol.169】コロナ後のNext Normal(ニューノーマル)~D2C~

GlobalPicks 〜海外の情報を読み解いて、ビジネスに付加価値を投薬する方法〜 著者:小出 紘道


引き続き、McKinsey(マッキンゼー)が年初に寄稿した記事から、コロナ後のNext Normal(ニューノーマル)を考えたいと思います。

今週の記事はこれ

The next normal arrives: Trends that will define 2021—and beyond
(ニューノーマルがやって来る:2021年とそれ以降の世界を決定づけるトレンドとは?)

https://www.mckinsey.com/featured-insights/leadership/the-next-normal-arrives-trends-that-will-define-2021-and-beyond

2021年以降のニューノーマルを定義づけるいくつかのトレンドがリストアップされています。

先にリストを提示しておきます。

・The return of confidence unleashes a consumer rebound
・Leisure travel bounces back but business travel lags
・The crisis sparks a wave of innovation and launches a generation of entrepreneurs
・Digitally enabled productivity gains accelerate the Fourth Industrial Revolution
・Pandemic-induced changes in shopping behavior forever alter consumer businesses
・Supply chains rebalance and shift
・The future of work arrives ahead of schedule
・The biopharma revolution takes hold
・Portfolio restructuring accelerates
・Green, with a touch of brown, is the color of recovery
・Healthcare systems take stock—and make changes
・The hangovers begin as governments tackle rising debt
・Stakeholder capitalism comes of age

先週の続きを見ていきます。

・Pandemic-induced changes in shopping behavior forever alter consumer businesses
(パンデミックによって引き起こされた買い物行動の変化は、対消費者ビジネスを永久に変えてしまう)

In nine of 13 major countries surveyed by McKinsey, at least two-thirds of consumers say they have tried new kinds of shopping.
And in all 13, 65 percent or more say they intend to continue to do so.

13の主要国のうち9カ国で、消費者の少なくとも3分の2が「新しい買い物を試した」と答えている。
そしてその13カ国全てにおいて、65%以上の消費者が「今後も新しい買い物方法を続ける」と回答している

主旨としては「コロナ禍によって変化した世界中の消費者の購買行動は、多くのケースで、コロナ収束後もコロナ禍における変化のままで固定されてしまう」ということです。
これが、マッキンゼーの公式的な『分析・見解』なのです。

変化した購買行動の恩恵を受けるのが「Direct-to-Consumer」の領域ですが、多くの企業では十分に「Direct-to-Consumer」ビジネスの準備が出来ていないようです。下記がその内容です。

Only 60 percent of consumer-goods companies say they are even moderately prepared to capture e-commerce-growth opportunities. As one executive told us, “when it comes to selling directly to consumers, we don’t really know where to start.” That concern is certainly valid. Direct-to-consumer selling requires the development of new skills, capabilities, and business and pricing models.

消費財企業の中の60%だけが、ECの成長を享受する用意が出来ている、と答えている。
ある幹部は「Direct-to-Consumerで販売することになると、何からはじめたらよいのかわからない。。。」と言う。その懸念は正しいだろう。
Direct-to-consumerには、新しい技術、機能、ビジネスモデル、価格モデルの開発が必用だ

繰り返し登場する「Direct-to-Consumer」は「いつか役に立つかも英単語です」。
多分「今年中に役に立つ」英単語です。

Direct-to-Consumer(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)=D2C:製品の企画・製造・販売を「中間業者を通さずに、自社ECサイトなどの自社チャネルで」直接消費者に販売するモデル

D2Cの有名な例としては

・Glossier(グロッシアー) コスメ
https://www.glossier.com/
・Casper(キャスパー) 寝具
https://casper.com/
・Blue Apron(ブルーエプロン) 食材
https://www.blueapron.com/

などがあります。
多くは、欧米の成功事例です。

日本の有名どころとしては

・BULKHOMME(バルクオム)男性コスメ
https://bulk.co.jp
・Mr. CHEESECAKE(ミスターチーズケーキ)スイーツ
https://mr-cheesecake.com/
・PHOEBE BEAUTY UP(フィービービューティーアップ)女性コスメ
https://phoebebeautyup.com/

などですかね。

「コスメ×D2C」の相性はかなりよさそうですので、既存国内メジャー VS D2Cという構図にパラダイム・シフトしていくのでしょうね。

いずれにしても、今年(本当は2.3年前からですけどw)の「意識高い系」マーケティングワードの両横綱は
・D2C
・DX
ですので、
「意識高い系」の輩ににこれらの言葉を使ってマウンティングされないように、きっちり覚えておくことを強くおすすめいたします笑

 

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「本コラムと、本業ビジネスとの関係」(著者・小出紘道より)

本業ビジネスでは「マーケティング&戦略コンサル」の仕事と、「高付加価値情報提供サービス」の仕事をしています。本コラムは後者の「高付加価値情報提供サービス」の初級編としての入り口となればいいな、と思ってます。世界の誰かが”既にかなり研究したり、結論を出している”にも関わらず”日本では流通していない数値情報や文字情報”がたくさんあります。それらの情報を、日本のマーケットにフィットするように編集・分析すれば「競合他社」や「競合他者」を出し抜ける可能性が高まります。法人向けのサービスとなっていますので、詳細はFace to Faceでお伝えしますね。

著者情報


小出紘道 (HIROMICHI KOIDE)
◆株式会社シタシオン ストラテジックパートナーズ 代表取締役社長 http://citation-sp.co.jp
◆株式会社シタシオンジャパン 取締役会長 http://www.citation.co.jp
◆株式会社 イー・ファルコン 取締役 http://www.e-falcon.co.jp
<いわゆる経歴>
・2000年 株式会社東京個別指導学院に新卒で入社して、11ヶ月だけ働いてみた(→早めに飽きた) ・2001年 イギリスに行って、University of Londonで経済と国際関係を学んだり、Heriot-Watt Universityで経営学(MBA)をやってみた(→めちゃくちゃ勉強した)。この間に、イギリス人の友人とロンドンで会社を作ってみた(→イマイチだった) ・2003年 シタシオンジャパン社でマーケティングをやり始めてみた(→ろくにエクセルも使えなかった) ・2007年 シタシオンジャパン社の代表取締役社長になって経営をやってみた(→やってみてよかった) ・2018年 シタシオンジャパン社の社長を仲間に託し、引き続き会長としてコミットしつつも、シタシオンストラテジックパートナーズ社を設立してみた(→今ここ)
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