この記事について
自分の絵を描いてもらう。そう聞くと肖像画しか思い浮かびませんよね。門間由佳は肖像画ではない“私の絵”を描いてくれる人。人はひとりひとり違います。違った長所があり、違った短所があり、違うテーマをもって生きています。でも人は自分のことがよく分かりません。だからせっかくの長所を活かせない。同じ失敗ばかり繰り返してしまう。いつの間にか目的からズレていってしまう。そんな時、私が立ち返る場所。私が私に向き合える時間。それが門間由佳の描く“私の絵”なのです。一体どうやってストーリーを掘り起こすのか。どのようにして絵を紡いでいくのか。そのプロセスをこのコンテンツで紹介していきます。
陰陽龍|人を治す歯科医院の院長夫人だけの唯一の太陽の絵が浮かび上がるまで
「太陽の絵がほしいです。でも、どんな太陽がいいか‥‥わからないんです。ギラギラした太陽で、暑苦しいくらいの情熱を注ぎたい気持ちを表現してほしい気がします。でも、春の日差しも好きです。色んな顔をした太陽を描いてほしい、なんて、あり得るのでしょうか?」Aさんは自問自答するかのように問いかけました。
Aさんは歯科医院の院長夫人です。色白で柔和な雰囲気ですが、立場上、いろんな顔が必要でしょう。院長と医院のスタッフをつなげる役割を果たしたり、院長を陰で支えたり、受付で患者のケアをしたり‥‥、満面の笑みがあるでしょうし、情熱をぶつける時もあるでしょう。だから【いろんな顔の太陽】はふさわしいと感じました。
それは、画家には難しくありません。プロはごく当たり前に直観(Intuition)が浮かんできます。それは、10年以上専門分野を何時間も積み重ねてきた結果、得られる能力で、ひらめき(Inspiration)や勘(Gut feeling)と分けることができると脳科学的にも言われています。誰しも、自分の専門分野で「これ」と瞬時に判断できる場面があると思いますが、それは直観です。意識して使うことで、さらに磨くことができます。
画家の直観が働いている時は、画面を分割してたくさんの太陽を並べたり、絵巻物のようなストーリーの太陽にするなど、瞬時にしかも同時に浮かんでいます。美術史が自動的に思い起こされて、いろんな表情をつなぎあわせてキュビズムのような太陽を描くこともできます。キュビズムでは、いろんな角度から見たものの形を一つに収めるので、いろんな表情をした太陽を一つにまとめるというアイデアが出るのです。なお、キュビズムとは、20世紀はじめにピカソやブラックが創った現代美術の流れですが、アフリカ彫刻にピカソがヒントをもらって始まった、とも言われています。
セッションでは、絶えず無数のイメージを浮かべては頭の中で整理や取捨選択をしています。
だから、話が進むうちに「太陽の話をしているけれど、単なる【太陽】ではない」とストンと直観しました。判断は会話の中での瞬間ですが、論理的に後から言えるのが直観の特徴です。
論理的に説明するとすると、Aさんは心身全体から歯の治療を考える医院の院長夫人です。だから、【歯】だけではないように【太陽】だけではない深さが言葉になって浮かび上がってくるのではないかと考えたのです。
すると、予想通り、ある象徴的な言葉が現れました。統合、です。それは、あるメールでのやりとりでした。「いろんな場面での脳の切り替えを上手く統合していく、のが大事な気がしてきました」この『いろんな場面での脳の切り替え』は、【いろんな顔の太陽】と同じ意味です。画家は、言葉をイメージに変換してとらえる習慣があるので、この重なり合いに気がつきます。そして、<統合>という新しい言葉が加わると、絵になるイメージが全く変わることも、すぐわかるのです。
<統合>は、二つ以上のものを合わせて一つにまとめることです。だから、太陽の羅列や、絵巻物のようなストーリー展開のイメージの可能性は完全になくなります。
しかし、この時これらの気づきをあえて言いませんでした。今、Aさんの中でイメージが動いているのを直観で感じたからです。画家ですから言葉の端ばしで手にとるようにわかります。例えば、同じ意味の重なりがあっても、【太陽】という言葉とつながっていないとき。まだ、イメージが心の中を漂っています。でも、<統合>のように新しいキーワードが口に出るとしばらく経ってから無意識的に進むことがよくあります。
それは、アイデアを思いついてしばらくして改良されたモノが浮かぶのと似ています。しかしイメージが発展することは、普通気付きにくいようです。だから、ビジョンクリエイターとして、「それはとても大切ですね」とか、「素晴らしいです」と肯定するのを大切にしています。一見単純ですが、効果は絶大です。心から肯定することで多くの人は、イメージを自分で発展させていくことができます。
実際、Aさんは、月日を重ねてついに、ついに言葉にしました。
「太陽を表す円であり、陰陽マークであり、龍が2頭いる絵がいい!」
一見、大きな飛躍ですが、その言葉を聴いて「それだ!」と確信しました。陰陽は、全宇宙に存在するものを「陰」と「陽」に分け、対立する関係に置き換えて考える古代中国の思想です。例えば、月が陰で太陽が陽、夜が陰で昼が陽、女性が陰で男性が陽、などです。しかし、しかし、分けたものが常に陽であり陰ではありません。男性が陽でも休んでいるときは陰と捉えます。陰陽は固定概念ではなく、時と場所、状況や関係に応じて変化しながらバランスをとるのです。また、陰陽は、東洋医学の基礎となる考え方でもあります。まさに、Aさんオリジナルの【いろんな顔を持つ太陽】であり、<統合>イメージにたどり着きました。
さらに、龍まで入ってくる、素晴らしい飛躍でした!その感動を素直に伝えると、Aさんは、「絵のことを考えている間、たくさんの気づきがありました。日々過ごす中で新しいイメージが色々考えられて、ここに至るまで楽しかったです。何気ない生活の中でもヒントが色々見つかって、導かれているな!と、思いますし、それに気づく私も、成長したと考えています」と
にっこりと笑いました。
そして、本画が始まっていくのですが、それはまた別の物語です。
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「門間さんに描いてもらい」とひそかに思いを育んておられた皆さま、是非ご確認くださいませ。
https://brand-farmers.jp/blog/monma_vision-paint/
著者の自己紹介
ビジョンクリエイター/画家の門間由佳です。
私にはたまたま経営者のお客さんが多くいらっしゃいます。大好きな絵を仕事にしようと思ったら、自然にそうなりました。
今、画廊を通さないで直接お客様と出会い、つながるスタイルで【深層ビジョナリープログラム】というオーダー絵画を届けています。
そして絵を見続けたお客様から「収益が増えた」「支店を出せた」「事業の多角化に成功した」「夫婦仲が良くなった」「ずっと伝えられなかった気持ちを家族に伝えられた」「存在意義を噛み締められた」など声をいただいています。
人はテーマを意識することで強みをより生かせるようになります。でも多くの人は自分のテーマに気がついていません。ふと気づいても、すぐに忘れてしまいます。
人生
の節目には様々なテーマが訪れます。
経営に迷った時、ネガティブになりそうな時、新たなステージに向かう時などは、自分のテーマを意識することが大切です。
また、社会人として旅立つ我が子や、やがて大人になって壁にぶつかる孫に、想いと愛情を伝えると、その後の人生の指針となるでしょう。引退した父や母の今までを振り返ることは、ファミリーヒストリーの貴重な機会となります。そして、最も身近な夫や妻へずっと伝えられなかった感謝を伝えることは、絆を強めます。そしてまた、亡くなった親兄弟を、残された家族や友人と偲び語らうことでみなの気持ちが再生されます。
こういった人生の起点となる重要なテーマほど、大切に心の中にしまいこまれてカタチにしづらいものです。
でも、絵にしてあげることで立ち返る場所を手に入れることができます。