「傷と痛みの境目について教えてください」というご質問。」【読むPodcast | ゲリラマーケティング】

第527回「傷と痛みの境目について教えてください」というご質問。」
“傷つくことを恐れちゃいけない”なんて言いますけど痛みはどうなんでしょう。
栃尾

こんにちは。安田佳生のゲリラマーケティング。ナビゲーターの栃尾江美です。

金子

1年使わなかったものや服を処分したところ、身が軽くなった感じがします。金子亜佑美です。

安田

安田佳生でーす。

栃尾

ブラック&ホワイトにしたんだよね。

金子

はい。もう完全に江美さんの影響をモリモリ受けて。

栃尾

白と黒しか着ないっていう(笑)

安田

へぇ~。

金子

なんか、いらない服捨てたら、それが残ったっていう感じなんですけど。

栃尾

ああ、たまたま?

金子

はい。

安田

なんか、「捨てられない特徴3つ」みたいなのが書いてあって、記事で見たんですけどね、なるほどなあと思いました。

栃尾

なんだったんですか?(笑)

安田

あのー、なんだったかなあ……

栃尾

ははは(笑)

金子

はは(笑)

安田

まず1個はね、「高い。だからもったいない」っていう。

栃尾

あ~はいはい、高いのはね。わかる。

金子

わかるわかる。

安田

「まだ着れる」っていうのがありましたね。

栃尾

うんうんうん。

金子

まだまだきれいなやつ?

安田

「高い」と「もったいない」は別だったかな。

栃尾

(笑)

安田

「高かった」っていうのと、「まだ着れる」っていうのと、「捨てることに罪悪感がある」っていう。

金子

それはわかります。

栃尾

はいはいはい。

安田

たしかにそうだなって。

金子

うん。

安田

まだ着れる服で結構高かった服を捨てるって、罪悪感ありますもんね。

栃尾

うんうん。

安田

はーい。ということで。

栃尾

今回はお便りをいただいておりますので……えー、質問ですね、質問いただいておりますので、読みたいと思います。50代・会社員の方です。安田さんに扱ってほしいテーマですけれども、「傷」と「痛み」のちがいというか境目についてです。私はカウンセリングを学んだり実践したり教えたりしているのですが、心の成長を語る際に、「“傷つくこと”や“痛みを感じる”によって成長する」というフレーズがよく使われます。ですが、それらは同義語的に使われているように感じます。しかし、私はそれらを厳密に使い分けるべきではないかと最近思い始めています。というのも、最近あるカウンセリング系の本で、「甘い痛み(スイートペイン)」という言葉を使っているのを見たからです。「傷つくことを恐れるな」と言うのと「痛みを感じることを恐れるな」と言うと、ちがう感じがしませんか?一般的には前者のフレーズを使うことが圧倒的に多いと思います。安田さんのお考えを聞かせていただければ幸いです。よろしくお願いします。これからもお三方を応援しています。ということです。ありがとうございます。

金子

ありがとうございまーす!

安田

なるほど。「傷」と「傷み」の境目は考えたことがないんですが。

栃尾

そうですね。

金子

うん。

安田

普通に考えると、傷って物理的な切り傷とかね。まあ、心の傷もありますけど。

栃尾

うんうん。

安田

痛みっていうのは、人間のそれに対する反応ですよね。

栃尾

はいはい。

金子

うーん。

安田

だから、なんなんだろう、「傷つくことを恐れるな」っていうなかに、「その反応を恐れるな」っていうのは入ってんのかな。

栃尾

ああ。

安田

「たとえどういう反応になっても」っていうことですよね。

栃尾

私思ったのは、傷つかない痛みもありますよね。

安田

ありますか?

栃尾

たとえば、ちょっとつねるだけとか。物理的にいえば。

安田

ほおほおほお。

金子

あ~なるほど。

栃尾

アザができないぐらいの痛さというか、それは傷ではなくて、そのとき痛いだけみたいな。

安田

昔、栃尾さんだったと思うんですが、「盆栽をチョキチョキ切るのは植物的にOKなのか?」みたいなことをおっしゃってた気がして、「髪を切るのと一緒じゃないか」みたいなことを言った気がするんですけど。

栃尾

はい。

安田

髪を切っても、断面、傷じゃないですか。

栃尾

はい。

金子

ああ。

安田

ヒゲ剃るとかもそうですよね、きっと。

栃尾

はい。

安田

だけど、たしかに痛みはないですよね。神経通ってないっていうのもあるんでしょうけど。

栃尾

ああ、傷なんですかねえ、髪の毛切るの。

安田

はい。

金子

なるほど。

栃尾

いやあ、どうなんだろう。むずかしいですね。

金子

うん、むずかしい。

安田

傷と痛みを分けて考えるべきかっていうか、なんか、ちがうもんなんじゃないのかなっていう気はしますね、たしかに。

栃尾

そうですね。

安田

うん。

栃尾

髪の毛も傷っていうとわからないですけど、普通の皮膚の傷とかは何日もきますよね。あと、痛くなくなっても、まだ傷が残っていたり。

安田

たぶん生きてると、体じゅうに傷できるじゃないですか。ガン細胞とかも日々できて、またなくなっていくって聞いたことあるんですけど。

金子

うん。

栃尾

はい。

安田

体の傷もたぶん、ほんとに自覚しないぐらいの擦り傷とか、アザにならない程度の打ち身とかいっぱいあって、筋トレとかも筋肉の破壊なんで「傷」ですし。

金子

ああ。

安田

そういう意味では、傷つかずに生きるっていうことは、たぶん不可能なんですよね。

栃尾

うんうん。

金子

うん。

安田

たぶん痛みっていうのは、「これはちょっとまずい傷だよ」っていう、そういう体からのメッセージなんじゃないかなっていう。

栃尾

ああ、でも、そうだと思います。うんうん。「ピコーン、ピコーン、ピコーン」っていうアラートっていうか(笑)

安田

そうですよね。だから、傷つくことは受け入れないと生きていけないとは思うんですが、痛みを我慢するっていうのは、自分を壊しちゃう可能性があるので、痛みには敏感なほうがいいんじゃないかなって気がします。

金子

あ~うん。

安田

ただ、反応がちょっと壊れちゃうこともあるんで、痛みを感じなくなったりとか、過敏に感じすぎたりとか。

金子

うん。

安田

そこはやっぱり冷静な、痛みに対する「この痛みは正しい痛みかどうか」っていうのを、よく考えてみることが大事な気がしますよね。

栃尾

いやあ、ほんとそうだと思います。

安田

うん。

金子

うん。

栃尾

たとえば、心の傷みたいに言うときって、興奮したときは傷ついたことに気がつかなかったりとか、あるんですよね。

安田

自分が?

栃尾

そうですそうです。で、1日たってから「うわ~、めちゃ痛いの、これなんだ!?きのうのあれだった!」みたいなのがあるんですよ。

安田

なるほど。

栃尾

はい。それは、すごく痛みに鈍感なんだと思います。

金子

んーっ。

安田

スポーツでね、よく「アドレナリンが試合では出てて痛み感じない」っていうんですけど。

金子

あ~はいはいはい。

安田

そういう意味では心の傷も、あとでたしかに来ますよね。翌日っていうのもそうですけど、何年かたってから、っていうのありますよ。

栃尾

あるかも(笑)

安田

昔はぜんぜん平気だったのに、子どもの頃のあるシーンがすごい思い出されて、ずっとそんなこと気にせずに生きてきたのに、すごい傷ついたり、落ち込んだりとか。

金子

あ~。

栃尾

時間差で痛みが来たってことですよね。

安田

うん。だから、たぶん、痛みを感じるセンサーみたいなのも、より敏感になったり鈍感になったりするんでしょうけど、おそらく、人生とか生活に支障が出るぐらい敏感なのは、やっぱ過敏なんでしょうね。

金子

なるほど。

栃尾

そうですよね。過敏すぎても困るし。

安田

そうなんですよ。鈍感すぎてもだめだけど、傷ついてんのがわかんなくて血が出つづけて、ある日突然死んじゃうとかになっちゃうんで。

栃尾

うんうん。

金子

うん。

安田

どっちもだめなんでしょうね。

栃尾

痛みを感じない病気の方がいるって聞いたことありますけど、やっぱり短命らしいですね。

安田

そうですよね。

栃尾

体に異常があっても気がつかない、骨が折れても気がつかないとかなんで。

安田

よく、「蚊に刺されたときに、熱いものに触れるとかゆくなくなる」っていうじゃないですか。

金子

あ、そうなんだ。

栃尾

あ、私、めっちゃやってます(笑)

金子

めっちゃやるんだ。

栃尾

いつもめっちゃ熱くしてます(笑)。かゆみがゼロになります。

金子

(笑)

安田

かゆみっていうのは結構「黄色信号」なんですよね、「ちょっと危険だぞ」って。

金子

へぇ~。

安田

でも、ちょっとなんで。熱さってもっと命に関わるんで、そっちを優先するんですよ、脳みそは。

金子

なるほど!はは(笑)

安田

だから、「熱い」っていうのと「かゆい」っていうのだったら「熱い」を優先するんで、「かゆい」が感じなくなるっていう。

金子

あーやっ、ややこしい(笑)

栃尾

(笑)

安田

ややこしくないですよ(笑)。人間の体って、すごいよくできてるんですよ。

栃尾

私は「タンパク質が壊れる」って聞きましたけどね、どうなんでしょう。

安田

あ、そうなんですか。

金子

へぇ~。

栃尾

50度とか45度とかを超えると壊れるから。

安田

ああ、それは壊れるんじゃなくて、凝固するんじゃなかったでしたっけ?

栃尾

ああ、そうかもしれません(笑)。形が変わるのか。

安田

まあ、一緒ですよね。

金子

なんでそんなに詳しいんですか?(笑)

栃尾

わかんない(笑)。むっちゃやってるから。

安田

で、このご質問の意図にそろそろお答えせねばならないんですが。

金子

うんうん、そうですね。

安田

はい。傷と痛みを……

栃尾

境目。ちがいというか境目ですか。

安田

一言でいうなら、傷は物理的な現象であって、痛みというのは反応ですよね、それに対する。

栃尾

はい。サインとかアラート。

金子

うん。

安田

はい。体の反応もあるし、心の反応もあるし。

栃尾

うんうん。ただ、どっちが大事とかいうことではなくて、「別物なので、別物として扱いましょう」みたいなことなんですかね。

安田

たぶん、「傷つくことを恐れるな」っていうのは、痛みに敏感すぎて行動ができなくなっちゃうっていうことなんでしょうね。

栃尾

うんうんうん。

金子

うんうんうん。

安田

敏感すぎるのもよくないってことでしょうね。

栃尾

うんうん。

安田

そのとおりなんだけど、実際、自分が過敏なのか鈍感なのかっていうのは、なかなか自分ではわかんないんですけど。

栃尾

そうですね。

安田

そういうところを相談するんでしょうね、カウンセラーとかって。

金子

なるほどぉ~。

安田

じゃあ、ちょっと、スーパーなおまとめをお願いしますよ。

金子

むずかしいっすね。

栃尾

傷が物理的でもなくて実際の現象であって、痛みっていうのはその反応であり、アラートで、サインであるということで、痛みのほうを適切にするっていうことが、生きるヒントみたいな感じかなと理解しましたが(笑)

安田

なるほど。「痛みを適切に受容するためには傷も必要だ」ってことですか?

栃尾

ああ、そうかもしれないですね、はい。

安田

はい。わかりました。

金子

なるほど!

安田

ということで、本日は以上です。ありがとうございました。

栃尾

ありがとうございました。

金子

ありがとうございました。

*本ぺージは、2022年11月2日、ポッドキャスト「安田佳生のゲリラマーケティング」において配信された内容です。音声はこちらから
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安田佳生
境目研究家

 

 

 

栃尾江美
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金子亜祐美
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