vol.103【内と外からの癒し|心身が育まれるサロンに飾る絵 長年の夢を実現したNさんの場合】

 この記事について 

自分の絵を描いてもらう。そう聞くと肖像画しか思い浮かびませんよね。門間由佳は肖像画ではない“私の絵”を描いてくれる人。人はひとりひとり違います。違った長所があり、違った短所があり、違うテーマをもって生きています。でも人は自分のことがよく分かりません。だからせっかくの長所を活かせない。同じ失敗ばかり繰り返してしまう。いつの間にか目的からズレていってしまう。そんな時、私が立ち返る場所。私が私に向き合える時間。それが門間由佳の描く“私の絵”なのです。一体どうやってストーリーを掘り起こすのか。どのようにして絵を紡いでいくのか。そのプロセスをこのコンテンツで紹介していきます。

『内と外からの癒し|心身が育まれるサロンに飾る絵 長年の夢を実現したNさんの場合』

前回は、【絵を見る人が絵を育てる】という記事を書きました。

今回取り上げるのは、【描かれる間に絵は育つ】といった、クライアントのNさんです。

完成していく間に、少しずつ変化していくオーダー絵画の画像を見て、「絵って育つのだね」と言いました。

その作品は、まるで、年輪が積み重なるうちに形が変わるように、絵の具が重なり合ううちに、絵が変化しました。絵に向かう時に、Nさんを思い浮かべながら描いていたら自然にそうなったのです。

「幼少時からのアトピーで、大人になってからは全身性のひどいアトピーの時期を何度か経験する中で、アトピーを治したい一心で、身体や心の問題をたくさん学んで‥‥そして、少しずつ克服していく中で、治療される側から治療する側になりました。辛く大変だったけれど、その時間があって今がある。過去や今をあるがままに受け取る良さを体感してもらいたい」Nさんは、教えてくれました。

さまざまな体験が積み重なり、今、自分がどうしてもやりたかったサロンを始める。その壁に飾る作品‥‥、そう思い浮かべたら、絵の具を削ったり、削った上に描いたり繰り返して作品を作っていく技法が自然に浮かんできました。2012年の頃です。

その技法で、本画を描き始めると、ピンクからベージュ、白などの色が、繊細に入り交じるようになりました。色が重なる中で、画面に厚みが増していきました。

そうして、数ヶ月かけて少しずつ変化していくのを見て「絵って育つのだね」とNさんが言ったのです。

絵が育つ。
人が子供から大人へと変化するような長い時間を感じさせる言葉です。
このことを、美術の世界では「時間性を感じさせる」と言ったりしますが、「絵が育つ」という方が、わかりやすいかもしれません。

例えば、今日のスペイン美術を代表する作家アントニオ・ロペスは、10年をかけてもなお手を入れ続けるほど制作期間の長いものがある絵画を描きます。実際に彼の絵は、時間性を強く感じさせると言われます。

でも、時間性という抽象的な言葉よりも、育つ、の方が直感的にわかりやすい。一つの存在を思い浮かべることができるからです。ロペスも「流行に興味はない。スペイン美術は昔から自分の眼と手の仕事だった。大切なのは感動であり、その存在感」と述べています。

育つような感覚を大切に描いた絵が飾られたNさんのサロンの名前は、レスピラーレ。呼吸という意味です。

そして今、Nさんのサロンには、魂の望む仕事への第一歩を踏み出した人、永年の夢だった海外へ飛び出していった人、楽しく学びを深める対象を見つけ、生き生きと輝き始めた人など‥‥、まさに、心身が日々育つ人たちが訪れています。

今回完成した作品 ≫『内と外からの癒し』

 

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 著者の自己紹介 

ビジョンクリエイター/画家の門間由佳です。
私にはたまたま経営者のお客さんが多くいらっしゃいます。大好きな絵を仕事にしようと思ったら、自然にそうなりました。

今、画廊を通さないで直接お客様と出会い、つながるスタイルで【深層ビジョナリープログラム】というオーダー絵画を届けています。
そして絵を見続けたお客様から「収益が増えた」「支店を出せた」「事業の多角化に成功した」「夫婦仲が良くなった」「ずっと伝えられなかった気持ちを家族に伝えられた」「存在意義を噛み締められた」など声をいただいています。

人はテーマを意識することで強みをより生かせるようになります。でも多くの人は自分のテーマに気がついていません。ふと気づいても、すぐに忘れてしまいます。

人生

の節目には様々なテーマが訪れます。

経営に迷った時、ネガティブになりそうな時、新たなステージに向かう時などは、自分のテーマを意識することが大切です。
また、社会人として旅立つ我が子や、やがて大人になって壁にぶつかる孫に、想いと愛情を伝えると、その後の人生の指針となるでしょう。引退した父や母の今までを振り返ることは、ファミリーヒストリーの貴重な機会となります。そして、最も身近な夫や妻へずっと伝えられなかった感謝を伝えることは、絆を強めます。そしてまた、亡くなった親兄弟を、残された家族や友人と偲び語らうことでみなの気持ちが再生されます。

こういった人生の起点となる重要なテーマほど、大切に心の中にしまいこまれてカタチにしづらいものです。

でも、絵にしてあげることで立ち返る場所を手に入れることができます。

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