【vol.285】重要マーケティング用語109③

GlobalPicks 〜海外の情報を読み解いて、ビジネスに付加価値を投薬する方法〜 著者:小出 紘道


先週に続き、2023年の「重要マーケティング用語109」というリストの中から「いつか役にたつかも」というものをピックアップしたいと思います。Intergrowthというサイトです。

今回の記事はコレ

109 Marketing Buzzwords to Know in 2023
2023年に知っておくべき、109のマーケティングバズワード
(https://intergrowth.com/marketing-buzzwords/)

※109個はあまりにも膨大なのですが、ざっと眺めてみたところ
・既に多くの人が知っていそうな用語
・あまりにもマニアックすぎる用語
も多く含まれていたので、109から厳選して見ていこうと思います。

今週は下記の2つ

■ Hyperloca
■ Immersive

早速みていきます。

■ Hyperloca(ハイパーローカル)

When we talk about local marketing, we’re talking about advertising to people in a specific city, town, or county.
Hyperlocal marketing takes that even further by marketing to people in a very specific area, such as a particular neighborhood or street.

ローカルマーケティングといえば、特定の市町村や郡の人々に対する広告のことを指す。
ハイパーローカルマーケティングは、それをさらに進めて、特定の地域や通りなど、非常に特定の地域の人々にマーケティングを言う。

ローカライズすることがビジネスのテーマになっていることは周知ですが、今では「ハイパーローカル化」が求められている、とのことです。特定の「エリア」というローカライズのレベルだとまだまだ「広すぎる」ということで、「通り」の単位で「ハイパーローカル化」したマーケティングが必要だそうです。

考えてみれば、原宿の「竹下通り」や、六本木の「けやき坂」などは、すでに通りそのものがハイパーローカルなブランドですよね。
地方においても、「通り」という単位で「検索」や「ジオターゲティング」に耐えうるような「店」「企業」「サービス」側の努力(オンライン上の設定など)が求められるということでしょう。

Considering that 46% of all Google searches are looking for local information, we’re likely to hear about hyperlocal marketing for years to come.

グーグル検索の46%がローカル情報を探していることを考えると、ハイパーローカル・マーケティングについては今後もずっと耳にすることになりそうだ。

このデータは初めて知りました。google検索の半数近くが「ローカル情報の検索」なんですね。
記事では、ハイパーローカル化するための必須要件として「Googleマイビジネス(GMB)アカウントの開設」が挙げられていました。
それに加え、GMBを含めて自社に関連するweb上で「ビジネス名」「住所」「電話番号」が一貫して同一であることが重要とのことでした。
日本でも2つ以上の電話番号が、異なるサイトに載っている会社ありますね。これだと、予約する時に一瞬「どちらにかけたら良いのか?」戸惑いますよね。わかります。

■ Immersive(没入型)

Most marketing happens in two dimensions. We see social media content on our phone screens, blog ads on our computer screens, commercials on TV. Even cross-channel, second-screen marketing campaigns happen across multiple 2-D surfaces.
Immersive marketing brings advertisements into the third dimension. By creating a physical, 3-D space that your audience can visit and interact with, you can invite your audience into the “world” of your brand.

ほとんどのマーケティングは二次元で行われる。私たちは、ソーシャルメディアのコンテンツをスマホの画面で、ブログの広告をパソコンの画面で、コマーシャルをテレビで見ている。クロスチャネル、セカンドスクリーンのマーケティング・キャンペーンでさえ、複数の2次元で表現される。
イマーシブ・マーケティングは、広告を3次元で表現する。オーディエンスが訪れて交流できる物理的な3次元空間を作ることで、オーディエンスをブランドの「世界」に誘うことができる。

3次元を使った広告や体験によって「没入感」を演出するようなマーケティングを、Immersive Marketingと言います。
これは、単語を覚えておけば良いと思います。
「immersive(イマーシブ)= 没入型」です。

日本では、チームラボによる「デジタル×アート」のプレゼンテーションなどが「immersive(イマーシブ)= 没入型」体験の一例ですね。

美術との親和性が良さそうですね。
現在日本橋三井ホールにて“絶賛”展示(公演)中の「Immersive Museum」もその一例です。
せっかく今やっているので、YouTubeの予告広告を貼っておきます。

ちなみに“絶賛”かどうかは、evidenceはありません。すみません。。。

 

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「本コラムと、本業ビジネスとの関係」(著者・小出紘道より)

本業ビジネスでは「マーケティング&戦略コンサル」の仕事と、「高付加価値情報提供サービス」の仕事をしています。本コラムは後者の「高付加価値情報提供サービス」の初級編としての入り口となればいいな、と思ってます。世界の誰かが”既にかなり研究したり、結論を出している”にも関わらず”日本では流通していない数値情報や文字情報”がたくさんあります。それらの情報を、日本のマーケットにフィットするように編集・分析すれば「競合他社」や「競合他者」を出し抜ける可能性が高まります。法人向けのサービスとなっていますので、詳細はFace to Faceでお伝えしますね。

著者情報


小出紘道 (HIROMICHI KOIDE)
◆株式会社シタシオン ストラテジックパートナーズ 代表取締役社長 http://citation-sp.co.jp
◆株式会社シタシオンジャパン 取締役会長 http://www.citation.co.jp
◆株式会社 イー・ファルコン 取締役 http://www.e-falcon.co.jp
<いわゆる経歴>
・2000年 株式会社東京個別指導学院に新卒で入社して、11ヶ月だけ働いてみた(→早めに飽きた) ・2001年 イギリスに行って、University of Londonで経済と国際関係を学んだり、Heriot-Watt Universityで経営学(MBA)をやってみた(→めちゃくちゃ勉強した)。この間に、イギリス人の友人とロンドンで会社を作ってみた(→イマイチだった) ・2003年 シタシオンジャパン社でマーケティングをやり始めてみた(→ろくにエクセルも使えなかった) ・2007年 シタシオンジャパン社の代表取締役社長になって経営をやってみた(→やってみてよかった) ・2018年 シタシオンジャパン社の社長を仲間に託し、引き続き会長としてコミットしつつも、シタシオンストラテジックパートナーズ社を設立してみた(→今ここ)
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