先日たまたま、
同じ職場の方が部下の能力について不満を述べている場に出くわしました。
いわく、部下の方は中途入社で数年経過しているにもかかわらず
知識の習得が進んでおらず、言われたことだけをしているような有様で
パフォーマンスだけみれば新卒の人と大差ない、
このままでは正直困る、ということでした。
わたくしが在籍している中小企業は
特徴を一言でいえば「超属人的」な会社ですので
さもありなんでもあるのですが、
人が「ハズレ」だったときには自然とそういう状態に行きつくことになります。
ただ、わたくしの在籍会社にかぎらず
おそらく中小企業というのは多かれ少なかれその傾向があるはずです。
大手であれば、新卒にたっぷりと研修期間を設けることもできますし、
中途であればそもそも専門知識の裏打ちがある方でなければ
採用されることはないでしょう。
(特殊な強みを持つ場合でない)中小ではどうしても
本質的な能力のエビデンスを求職者に求めることができないまま、
新卒と似たり寄ったりのポテンシャル採用的な判断をした結果、
思うような成果を生んでくれないという帰結にいたるわけです。
職場の方の嘆きは、具体的には
「知っておくべきことは教えているにもかかわらず、理解して行動してくれない」
というものでした。
中小も会社ごとに異なるのでしょうが、
たしかにわたくしの会社では学習や知識の習得は常時奨励されており、
中途であろうと情報を与えずに実務の現場に放りこんでヨロシクやってこい、
ということは決してありません。
手厚くフォローしているにもかかわらず
アウトプットは期待外れである。
これは当人の能力の問題なのか、そもそもの採用が悪いのか、
上司に自覚していない良くない何かがあるのか、
気持ちいい「正解」をズバッと申し上げる立場でも資格があるでもない
わたくしが申し上げることでもないのですが、
ひとつだけ言えることがあるとすれば
「合っていない理屈はおかしい」
ということです。
わからない人に教えればわかってもらえる前提でいるのはおかしいですし、
能力が証明されないままある前提で採用するのはおかしいですし、
そんな中、教えたから結果を出してほしいという因果は当然おかしいです。
こと、仕事の世界はみなロジックで成り立っているような顔をしていますが、
少なくともわたくしの卑近な世界の実際は
バグだらけで放置されたポンコツなプログラムのようなものなのです。