母から受け継いだ指輪をネックレスに、片方なくしたピアスをペンダントに、思い出の詰まった2つのリングを溶かして1つに――。魔法のようにジュエリーを生まれ変わらせるジュエリー修理・リフォーム専門店「Refine」(リファイン)。代表の望月信吾さんに、お客様に感動を届けるジュエリーリフォームの魅力、そして波乱万丈な人生についてお聞きする対談企画です。
第2回 数千万円の宝石を持ち歩いた行商の日々

今回も前回に引き続いて、望月さんが「Refine」を創業する前の話をお伺いしたいと思います。確か、お父さんの会社が倒産する1〜2年前までは、望月さん自身も宝石の入った鞄を持って行商していたんですよね?

そうなんです。とはいえ、宝石ビジネスというのはこの令和の時代でもあまり変わっていなくて。同じデザインの宝飾品であっても、些細な傷や微妙な色の違いで大きく値段に差が出る。つまり現物を見て判断するしかないんです。

そういうことです。宝石店の社長や店長に鞄から出した現物を見せて「これは良いから買うよ」「石がイマイチだから要らない」「これ、もう少し安くならないの?」なんてやりとりをしながら、1つ1つ値段を決めるしかない。

そうそう。以前あんなに大歓迎してくれていた宝石店の社長に連絡しても、「今はいらないよ」なんてピシャリと言われてしまって。逆に「前に仕入れたやつ、まだ残っているから返品させて」なんて言われてしまったりね。

そうですねぇ、大変でしたね。当時は私ら家族含めて従業員も10名くらいいて、20数億の売上げもありましたから、債権者もたくさんいて……ビジネスだけの話で終わらなくてね。当然、「生きるか死ぬか」みたいな話になってくる。

なるほど。それで「Refine」の創業へと繋がっていくわけですね。次回以降、そのあたりをお聞きしたいと思います。
対談している二人
望月 信吾(もちづき しんご)
ジュエリー工房リファイン 代表
25歳で証券会社を退社後、父親の経営する宝石の卸会社に入るが3年後に倒産。その後独立するもすぐに700万円の不渡り手形を受け路頭に迷う。一念発起して2009年に大塚にジュエリー工房リファインをオープンして現在3店舗を運営。<お客様の「大切価値」を尊重し、地元に密着したプロのサービスを提供したい>がモットー。この素晴らしい仕事に共感してくれる人とつながり仕事の輪を広げていきたいと現在パートナー募集中。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。