第29回 時代遅れだと思う経営者は?

この対談について

「オモシロイを追求するブランディング会社」トゥモローゲート株式会社代表の西崎康平と、株式会社ワイキューブの代表として一世を風靡し、現在は株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表および境目研究家として活動する安田佳生の連載対談。個性派の2人が「めちゃくちゃに見える戦略の裏側」を語ります。

第29回 時代遅れだと思う経営者は?

安田

今日は「時代遅れだと思う経営者」についてお聞きしたいなと。この時代にネット使えませんとか、連絡は必ず電話とか、そういう経営者はやっぱり時代遅れだと思いますか。


西崎

うーん、それだけで時代遅れだとは思わないですね。それより個人的に気になるのは、売上とか利益とか、いわゆる「数字」だけを追いかけている人で。そっちの方が僕は「大丈夫?」って思っちゃうかな。

安田

数字を追うって、それはそれで経営者の大事な仕事だと思うんですけど、違うんですか?


西崎

もちろんそうなんですけど。なんだろうな、「数字さえ上がればいい」というスタンスが気になる、って感じですかね。

安田

ああ、なるほど。いわゆる昔ながらの営業会社のイメージですかね。とにかく電話かけまくって、顧客を騙してでも商品を売りつけるみたいな。


西崎

極端に言えばそういうことです(笑)。もっとサービスの向上を考えたり、顧客満足度を高めたり、っていう方向にパワーを使った方が良くないですか? と思っちゃう。

安田

確かに昔みたいに、隠したり騙したりっていうのができない時代になってきましたからね。ただね、実際そういうスタンスで儲かっちゃってる会社も、まだまだあると思うんですよ。


西崎

それはそうかもしれませんね。明るみに出てないだけ、ニュースになってないだけ、って会社はたくさんあると思います。

安田

そうでしょう? でね、ちょっと意地悪なつなげ方をしますが、そういう会社に騙されちゃうのが、冒頭言っていたネットに疎かったり、電話でしか連絡ができない、いわゆる「情弱社長」なんですよ。そういう意味でも、やっぱりアップデートしていった方がよくないですか?


西崎

なるほど(笑)。確かに自分や自分の会社を守るためのネットリテラシーは必要かもしれません。アンテナ感度が高い、っていうのは経営者としてのプラスの条件だとも思いますし。

安田

トゥモローゲートのクライアントさんの中にも、SNSは一切使ったことがない、Chatworkとかのツールもまったくわからない、という会社さんがあったと思うんです。そういう時はイチから使い方を教えてあげるわけですか。


西崎

もちろんレクチャーさせてもらいますが、そもそもSNSやチャットツールが必須だとは思っていなくて。あくまで「その会社さんが目指す姿」から逆算して、SNSやチャットツールが有効な場合に提案するだけですね。

安田

なるほどなるほど。でも、そうは言っても、毎回電話で連絡してくる社長には「なんでいつも電話なんだよ!」って思いませんか(笑)。


西崎

別に思わないですよ(笑)。でも「こっちの方が社長にとってもやりやすくないですか?」とLINEとかを提案することはありますよ。

安田

ふーむ。「うるさい、ワシは今までもこれからも電話なんじゃ!」なんて怒られませんか?(笑) いや、そもそも高齢の社長さんがあんまり多くないんですかね。


西崎

一番お問い合わせをいただくのは40歳前後の社長さんですね。

安田

50代、60代の社長はいない?


西崎

いらっしゃらないことはないですね。でもウチにお問い合わせくださる方って、例えば60代の社長でもかなり若い感覚の方が多いんですよ。提案内容もしっかり理解してくださいますし。

安田

へぇ。伝わるものですか。


西崎

もし一度で理解できない話があっても、「自分にわからないからダメ」と切り捨てないで、理解できるよう努めてくれる感じです。自ら調べてくださったり、周りに聞いてくれたりして。

安田

なるほど。そういう柔軟性がある経営者さんが多いんですね。ちなみにですけど、冒頭に話していたような「数字さえ上がればいい」系の会社さんとは、そもそも取引しないんですか?


西崎

そうですね。フィーリングが合わないならお断りすると思います。でも、正直そういう会社さんは、最初からウチに問い合わせしてきませんから。

安田

そうなんですか? そういう古臭い会社ほど、売上の減少とか人手不足に困ってそうですけどね。それで「ブランディングでサクッと解決して欲しい」なんて依頼が来そうなものですけど。


西崎

うーん、ないですね。そもそも「ビジョンって何?」みたいな状態だと、会話にならないというか。

安田

ははぁ、なるほど。そういう意味では、フィーリングの合わない会社が反応できないようなブランディングができてる、ってことですね。でも、「フィーリングは合うけどSNSまったくわからない」みたいな社長が来たらどうします?


西崎

全然オッケーです。必要があればイチから使い方教えますし。

安田

へぇ! それは別料金で2000万円くらい取るんですか?


西崎

取らないですよ!(笑) 規定の料金内でやってます。

安田

なるほど。私だったらそんな面倒なことやりたくないですけど、トゥモローゲートさんは優しいですね(笑)。

 


対談している二人

西崎康平(にしざき こうへい)
トゥモローゲート株式会社
代表取締役 最高経営責任者

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1982年4月2日生まれ 福岡県出身。2005年 新卒で人材コンサルティング会社に入社し関西圏約500社の採用戦略を携わる。入社2年目25歳で大阪支社長、入社3年目26歳で執行役員に就任。その後2010年にトゥモローゲート株式会社を設立。企業理念を再設計しビジョンに向かう組織づくりをコンサルティングとデザインで提案する企業ブランディングにより、外見だけではなく中身からオモシロイ会社づくりを支援。2024年現在、X(Twitter)フォロワー数11万人・YouTubeチャンネル登録者数19万人とSNSでの発信も積極的に展開している。

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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