第62回 発酵が、発光させる?

この対談について

健康人生塾の塾長にしてホリスティックニュートリション(総括的栄養学)研究家の久保さんと、「健康とは何か」を深堀りしていく対談企画。「健康と不健康は何が違うのか」「人間は不健康では幸せになれないのか」など、様々な角度から「健康」を考えます。

第62回 発酵が、発光させる?

安田
今日は久保さんにお聞きしたいことがありまして…。人間のカラダの中でも「発酵」が起こっていると聞いたんですが、本当なんですか?

久保
ええ、発酵していますよ。特に腸内では。
安田
そうなんですね! 発酵というと、なんとなく「腐っている」というイメージなんですが、それが体内で起きていると。…ちょっと複雑な気分です(笑)。

久保
確かに「腐敗」も「発酵」も、起こっている事象としては同じなんですよね。どちらもタンパク質や脂質といった大きな分子を、細菌が小さく分解している状態なので。その中でも、人間にとって有益な働きをしている状態を「発酵」と呼んでいるだけで。
安田
「腐敗」は人間にとって害がある状態というわけか。確かに腐っていたら、嫌なニオイがして食べられないですもんね。じゃあ腸の中で発酵しているのは、カラダにとって良いことなんですか。

久保
そうなります。安田さんもご存知かと思いますが、腸内には「善玉菌」と「悪玉菌」がいますよね。ざっくり定義すると、発酵させてくれるのが善玉菌、腐敗させるのが悪玉菌なんです。
安田
なるほど〜。だからよくCMなんかで「善玉菌を増やそう」と言っているわけですか!

久保
そういうことです。ただ、腸内で過剰に発酵するとガスが多く出てしまうので、せっかくの「善玉菌」がカラダに悪さをすることもある。闇雲に善玉菌を増やせばいい、っていうわけでもないんですよね。そこが難しいところで。
安田
ふーむ。ちなみに「悪玉菌」が増えるとどうなってしまうんですか?

久保
腸内が腐って炎症を起こしてしまいます。当然、カラダ全体に悪い影響を及ぼしますね。
安田
じゃあやっぱり、とにかく悪玉菌をなくせばいいんですね?

久保
いえ、そう簡単な話でもなくて…(笑)。実は善玉菌と悪玉菌どちらもいないと「いい腸内環境」は成り立たないんです。2つの菌が良いバランスを保てた時に初めて、腸の中で「発酵」が起こりやすくなるので。
安田
そうなんですね。うーん、なかなか難しいなぁ(笑)。

久保
笑。車のアクセルとブレーキのように考えるといいかもしれません。車が正しく動くためには、アクセルとブレーキどちらも必要ですよね。それと同じで、善玉菌と悪玉菌は協力しながらカラダを動かしてくれているんです。
安田
なるほどなるほど。そのバランスが上手く取れていると、腸内で「発酵」が起きるというわけですね。ところで「発酵」と「腐敗」の境目は、久保さんとしては「人間に有益かどうか」だとおっしゃいましたが、個人的には「人間が食べられるか食べられないか」だと思っていて。

久保
ああ、わかりやすいですね。現象としては同じことが起きているとは言え、腐ったものは食べられませんもんね(笑)。
安田
でもハイエナは腐った動物の肉を食べますし、ハエは生ゴミに集まる。ということは、人間にとっては「腐敗したモノ」が、ハイエナやハエにとっては「発酵食品」になるわけですか?

久保
ええ、そう言っていいと思います。要は、彼らにとって消化しやすく、栄養素があるモノであれば、それは「発酵=カラダに良いもの」になるので。
安田
ははぁ…ということは、全ての生物レベルで見ると、「完全に腐敗したモノ」なんてないのかもしれないですね。人間にとっては害になるようなモノでも、他の生き物にとっては有益な食べ物になるわけですから。

久保
そうですね。人間が勝手に「腐敗」と「発酵」を線引しているに過ぎないと、私も思います。「発酵」といえば、ちょうど先日ある先生から興味深いエピソードをお聞きしまして。…曰く、「発酵する」と「発光する」んだそうです。
安田
え、発酵することによって、光を出すということですか?

久保
そうなんですって! 面白いですよね。それを聞いた時に、「人間も光を出している」という話を思い出しまして…。
安田
ん? 今度は人間が発光、ですか?(笑)

久保
すみません、ちょっと話があちこちしてしまうんですが(笑)、人間って誰しも1秒間に10〜20個くらいの「光子(こうし)」を出しているんですって。もちろん肉眼では見えませんけど(笑)。
安田
へぇ〜そんなことが起こっているんですか。知らなかったなぁ。

久保
それで先ほどの「発酵すると発光する」話と「光子」の話が私の中で結びついたんです。「カラダに良いものをたべて、腸内が整っていれば、カラダから良い光を出すことができるんだ」と。
安田
なるほど、そういうことですか! その光ってオーラみたいなものなんですかね。

久保
そうなんじゃないかと思います。ものすごく修行を積んだお坊さんなんかは、光子を1秒間に10万個くらい出しているらしいので、私も発酵食品を食べることで、少しでもその域に近づけたらな〜なんて思っていますけど(笑)。
安田
それを聞いたら、私もしっかり発酵食品を食べなくてはと思うようになりました(笑)。

 


対談している二人

久保 光弘(くぼ みつひろ)
健康人生塾 塾長/ホリスティックニュートリション研究家

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仙台出身、神奈川大学卒。すかいらーくグループ藍屋入社後、ファンケルへ。約20年サプリメントの営業として勤務後、2013年独立し「健康人生塾」立ち上げ。食をテーマにした「健康人生アドバイザー」としての活動を開始。JHNA認定講師・JHNA認定ストレスニュートリショニスト。ら・べるびい予防医学研究所・ミネラル検査パートナー。

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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