第36回 トゥモローゲート流「企業YouTube運用のススメ②」

この対談について

「オモシロイを追求するブランディング会社」トゥモローゲート株式会社代表の西崎康平と、株式会社ワイキューブの代表として一世を風靡し、現在は株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表および境目研究家として活動する安田佳生の連載対談。個性派の2人が「めちゃくちゃに見える戦略の裏側」を語ります。

第36回 トゥモローゲート流「企業YouTube運用のススメ②」

安田

前回に続きYouTubeに関してお聞きしていきたいんですが、聞くところによると、トゥモローゲートさんではすごく細かく数値を分析しているそうですね。


西崎

そうですね。配信日や配信内容、配信時間などはもちろんですが、再生回数も数時間ごとに取って分析しています。あとはクリック率とか視聴者維持率、平均視聴時間、高評価数なども全部チェックしてますね。

安田

へぇ~すごいな。それを元に次の企画とかを考えていくわけですか。


西崎

仰るとおりです。基本的には反響が悪かった企画はもうやりません。よかった企画を発展させていくイメージです。

安田

クライアントさんのYouTube運用をコンサルする際も、同じように細かくチェックしてもらうんですか?


西崎

ええ。うちでも使っているチェックシートをお渡しして、同じようにやってもらいます。前回話したようにクライアントさんが自走できるようにならないと意味がないので。

安田

なるほどなぁ。ちなみに私自身もチャンネルをやっているのでわかるんですが、YouTubeを継続して運用していくのってすごく大変じゃないですか。時間も労力もお金もかかる。


西崎

そうですねぇ。週23本コンスタントに配信し続けるとなると、なかなか大変ですよね。僕自身も、最初の12ヶ月こそ自分一人で企画・撮影・編集までやってましたけど、こりゃ無理だなって撮影・編集のチームを作りました。

安田

ちなみに現在は何名のチームで運用されているんですか?


西崎

今は5人体制ですね。

安田

ははぁ、なるほど。つまり少なく見積もっても月100万以上はコストを掛けているわけですね。


西崎

専任ではないので、月給×5人分全部がYouTubeへの投資というわけじゃないんですけど。でも3名分くらいのお金はかかってますね。

安田

いや、すごいな。単純計算で年間1500万とか2000万くらいの投資はしているってことじゃないですか。あ、でもそうか、トゥモローゲートさんくらい有名になると、広告収入がけっこうすごいんですかね。


西崎

いやいや、そうでもないですよ。金額こそ伏せますが、YouTubeだけの収支で言えば完全に赤字です。

安田

へえ! 御社でそうなら、YouTubeの広告収入だけで黒字化するって相当難しそうですね。逆に言えば、御社としては広告収入じゃない別の目的で運用をされているってことですよね。


西崎

そうですね。新規の問い合わせや採用が主目的です。単純に広告収入で儲けるのはほぼ不可能だと思います。

安田

なるほど。それにしても、西崎さんですらそれだけ投資されているわけですから、他の企業さんはもっと頑張らないといけないってことですね。ちなみに目安として売上の何%くらいを投資すればいいですか?


西崎

僕らで言うと売上の34%くらいですかね。

安田

なるほどなるほど。仮に売上が10億円の企業だったら、最低30004000万円くらいは投資すべきだと。


西崎

それくらいは全然妥当だと思いますね。ただ、YouTube単体でやるより、XとかInstagramとか、あるいはブログやメルマガなども含め、ある意味全方位的に投資していくのがいいと思います。これ、相乗効果なんで。

安田

そうですよね。とはいえ、そのあたりに全力で対応している中小企業ってまだまだ少ないですよね。マス広告をバンバン出せるわけじゃないからこそ、SNS系の発信は中小企業こそやるべきだと思っているんですけど。


西崎

まあでも、気持ちはわかるんです。発信し始めてすぐに成果が出るものでもないので。軌道に乗るまでにそこそこ時間がかかってしまう。でも、一度転がりだすと一気に加速するんですよ。雪だるま式にと言うか。

安田

確かに途中で辞めてしまう会社は多そうですね。「そこそこ時間がかかる」というのも、1ヶ月2ヶ月みたいなことじゃなく、年単位ですもんね。


西崎

そうそう。完全に年単位です。だからほとんどの企業が続けられないんですよね。途中で辞めちゃう。でも、年単位で頑張っていればいつか必ず成果は出るはずで。

安田

ほう、そうですか。


西崎

だって、例えば100本動画を出して、チャンネル登録者数ゼロってあり得ないですから。もちろん動画の出し方や内容によって10人になるのか1000人になるのか、はたまた100万人になるのかの差はありますよ。でもまったくゼロというのはあり得ないはずで。

安田

そうですよね。だからこそ、多くの中小企業がまだ頑張れてないこの時期に始めた方がいいんですよね。すべての中小企業が当たり前にYouTube発信をするようになったら、今よりずっと勝ちづらくなっちゃうわけで。


西崎

本当にそう思いますね。僕ら自身、ビジネス枠×YouTubeというのに早く取り組んだからこそ、今のような結果を得られているので。ぜひ皆さんもチャレンジしてほしいなと思います。


対談している二人

西崎康平(にしざき こうへい)
トゥモローゲート株式会社
代表取締役 最高経営責任者

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1982年4月2日生まれ 福岡県出身。2005年 新卒で人材コンサルティング会社に入社し関西圏約500社の採用戦略を携わる。入社2年目25歳で大阪支社長、入社3年目26歳で執行役員に就任。その後2010年にトゥモローゲート株式会社を設立。企業理念を再設計しビジョンに向かう組織づくりをコンサルティングとデザインで提案する企業ブランディングにより、外見だけではなく中身からオモシロイ会社づくりを支援。2024年現在、X(Twitter)フォロワー数11万人・YouTubeチャンネル登録者数19万人とSNSでの発信も積極的に展開している。

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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