庭師でもない。外構屋でもない。京都の老舗での修業を経て、現在は「家に着せる衣服の仕立屋さん(ガーメントデザイナー)」として活動する中島さん。そんな中島さんに「造園とガーメントの違い」「劣化する庭と成長する庭」「庭づくりにおすすめの石材・花・木」「そもそもなぜ庭が必要なのか」といった幅広い話をお聞きしていきます。
第59回 「アロワナの巨大水槽」を眺めながら商談できるお庭

「アロワナの水槽」を作っているとお聞きして、そんなことまでやるのかと驚いたんですが、そもそもどういう依頼だったんですか?

橋を架ける会社を経営している先輩がいまして、最初は会社の敷地に「池を作ってほしい」という依頼だったんです。詳しく聞いてみたらただの池ではなく、魚を眺められるような水槽が欲しいということになって。

いやぁ、僕も外に水槽を作るなんて初めてなので、いろいろと試行錯誤しながら進めているところで(笑)。最終的には5.5メートルの幅で2メートルの奥行き、1.3メートルの深さの水槽を設置することになりそうです。

そうみたいですね。ただ、話が進む中で、その外の水槽で飼うのはピラルクにすることになったんです。なんでもアロワナは盗難の危険があるということで。

それがそうでもないんですよ。水槽の中に自然石を置いたり水草を生やしたりするんですけど、その工程は庭を作る感覚にすごく近くて。さらにその水槽の前にも商談スペースになるようなテラスも作る予定なので。

なるほどなるほど。じゃあもし他にも変わった依頼があったら、中島さんに相談すると面白いことが起こりそうですね。
対談している二人
中島 秀章(なかしま ひであき)
direct nagomi 株式会社 代表取締役
高校卒業後、庭師を目指し庭の歴史の深い京都(株)植芳造園に入社(1996年)。3年後茨城支店へ転勤。2002・2003年、「茨城社長TVチャンピオン」にガーデニング王2連覇のアシスタントとして出場。2003年会社下請けとして独立。2011年に岐阜に戻り2022年direct nagomi(株)設立。現在に至る。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。