B to C の業界の方向けのセミナーや書籍で
「むずかしいお客様への上手な対応」とか
「クレームからファンに育てていく」などといったテーマがあるように、
総じて一般の方というのは
めんどくせえ
存在でございます。
自分が属している会社や組織のしばりがない人というのは
それらを考慮しながら活動しなければいけない立場より
感情的に気楽であり、自由なものです。
しかし、そういう方々を顧客とする世界であれば
マスとしての心理を把握し、
きちんと対応していくことが必要となるでしょう。
SNS、特に動画のジャンルを見ていると、
活動されているクリエイターごとに
キチンとしたマーケティング意識をもって動いているかどうかが
分かれているように見受けられます。
フォロワーの数にもよりますが、
ある程度の成功を収めていて、
さらに売り出していこうとしている規模の方の場合、
コメント欄等に一定数の「アンチ」がぶら下がっています。
アンチの定義を
クリエイターに興味を持っているが、それは否定的なもので、
匿名を守りながら自分の吐き出したものをぶつけたいという欲求がある人、
とすれば、よくいわれるように
「アンチがついていることはうまくいっている証拠」でもあります。
なぜなら、
アンチの性質は上澄みの逆、氷山の一角の逆というべきもので、
アンチの上にはマジョリティのファンベースが築かれていると
見ることが可能だからです。
しかし、どんな方でも自分に熱心に攻撃されることに
心底無関心でいることは難しいものですから、
そこでどうリアクションしているかが否応なく問われます。
スルーを徹底したとしても、アンチの存在を知らないわけではないわけですから、
それは「スルーした」というひとつのリアクションです。
そこで、「むずかしいお客様への上手な対応」の
今日の最適解のひとつとしては、
完全スルーするよりも
アンチに対して適度な「いじり」を返していくことではないかと思えるのです。
アンチの言葉をうまく拾いあげ、
ちょっとおもしろみをまぶして自分のコンテンツの一部に取りこむ。
ジャンルを問わず、それを行なっているクリエイターのコメント欄が
ファンたちの賞賛で埋まっていることをみるにつけ、
アンチにかまった対価は確実に得られているのではないかという感じがします。
……まあ、そういうファンもぶっちゃけアンチとレベルは一緒かもしれん、
という気が、しないでもないですが。