「日本一高いポスティング代行サービス」を謳う日本ポスティングセンター。依頼が殺到するこのビジネスを作り上げたのは、壮絶な幼少期を過ごし、15歳でママになった中辻麗(なかつじ・うらら)。その実業家ストーリーに安田佳生が迫ります。
第84回 コーポレートサイトは、情報量が多ければ多いほどいい?
以前の対談で、「最近はWeb系の広告を依頼されることも増えてきた」と仰っていましたが、企業のコーポレートサイトの作成を依頼されることもあります?
なるほどなるほど。ちなみに「コーポレートサイトもLPも似たようなものでしょ?」と思っている人も少なくないと思うんです。中辻さんの中では、コーポレートサイトってどういう位置づけなんですか?
いろいろな説明の仕方ができるとは思うんですが、コーポレートサイトってまず自社の「信頼の証」として作るものだと思うんですよ。
ああ、しっくり来ます。確かに興味を持った商品をネットで調べた時に、それを作っている会社のコーポレートサイトが立派だと安心ですもんね(笑)。
ですよね(笑)。要は「この会社って何をやってるの?」「本社はどこ?」「代表者はどんな人なんだろう」というようなことをまとめたものがコーポレートサイトです。
なるほど。ではLPはどうですか?
LPは信頼のためと言うより、集客とか販売といった明確な目的がある場合に作るWebページですね。
「この商品を売りたい」とか「たくさんの人を集めたい」とか、そういう時にはLPが向いているわけですね。でもそう考えると、まずコーポレートサイトがあることが前提で、その上で状況に合わせてLPを追加作成するイメージですよね。
そうですね。基本的にはそういう流れになるかと思います。
でも中には「コーポレートサイトはないけどLPを作ってほしい」という依頼もあるんじゃないですか?
ありますね。そういう場合は、「コーポレートサイトがない会社用のLP」をご提案します。LPのページの下の方にオフィスの住所や電話番号を入れてみたり、設立年数を入れてみたりして、コーポレートサイト的な機能も持たせてあげるわけです。
ははぁ、なるほどなるほど。確かにそういった情報が併記されていると安心感が増しますね。
ええ。ただそういう場合でも「LPで集客して資金を得たら、必ずコーポレートサイトも作成したほうがいいですよ」とお伝えしています。その方がSEO対策などもできて、企業のPRがしやすくなりますからね。
なるほどなるほど。ちなみにコーポレートサイトにはどの程度の情報を載せるべきですか? あんまり多すぎない方がいいですよね?
うーん…個人的な意見ではありますが、コーポレートサイトについては「書けば書くほどいい」と思っています(笑)。
へぇ。でも、情報量が多すぎると読むのが面倒くさくなっちゃいません?(笑) というのも、私も近所の病院を比較検討する時にコーポレートサイトを見て回ったんですが、院長のこだわりとか想いのようなものがブワ〜っと書かれていて読む気が失せてしまったんですよ(笑)。
あらら…それはページ構成がよろしくなかったのかもしれないですね。プロのWebディレクターがしっかりページ構成を考えていれば、情報量が多くても読みやすくなっているはずなので…。もしくはその医院の「打ち出しポイント」がはっきりわからなかったとか。
ほう…打ち出しポイント、ですか。
ええ。その医院が大切にしていることや得意としていることですね。それを正しく見極められていれば、ある程度はスッキリとまとめることができるはずなので。
なるほどなぁ。「あれもこれも」と思いついた情報を盛り込みすぎるのは、良くないということですね。
そうですね。例えばウチは歯科医院のお客様とのお取引も多いんですが、それぞれの医院が掲げている「強み」ってけっこうバラバラなんです。
ああ、確かに歯科医院はいろいろありますよね。「小児歯科に力を入れています」とか「審美歯科が得意です」とか、医院ごとに色があります。
そうですそうです。ファミリー層が多いエリアだと「子どもの虫歯ゼロに向けて予防歯科をやっている」とか、高級住宅街エリアだと「自費診療で高品質なインプラントを入れられる」とか。つまり同じ「歯医者」でも、打ち出しポイントが変わってくるわけです。
そうやって「打ち出しポイント」を中心に据えて集めた情報を、コーポレートサイト上に書いていくわけですね。いやぁ〜中辻さんはコーポレートサイトにもお詳しいから、広告を依頼する側としてもきっと心強いでしょうね!
対談している二人
中辻 麗(なかつじ うらら)
株式会社MAMENOKI COMPANY 専務取締役
1989年生まれ、大阪府泉大津市出身。12歳で不良の道を歩み始め、14歳から不登校になり15歳で長女を妊娠、出産。17歳で離婚しシングルマザーになる。2017年、株式会社ペイント王入社。チラシデザイン・広告の知識を活かして広告部門全般のディレクションを担当し、入社半年で広告効果を5倍に。その実績が認められ、2018年に広告(ポスティング)会社 (株)マメノキカンパニー設立に伴い専務取締役に就任。現在は【日本イチ高いポスティング代行サービス】のキャッチコピーで日本ポスティングセンターを運営。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。