人がつけているのをまねて、最近スマートなんちゃらというものを腕につけはじめました。
誰でも持っているモノの話を大変いまさらで大変恐縮です。
スマートなんちゃらはものすごく種類があるようで、自分がつけているいちばん安い方でも、いろいろな機能がついています。
その中の「睡眠」に関するデータの扱い方、これはおもしろいと感じています。
これもご存知の通り、腕に時計型のモノをつけっぱなしにしているだけでデータを取ってくれ、その評価までしてくれるものですが、愛用しているユーザーはそれを通じて
「今日も高評価だった。良かった」と思うわけです。
これは、睡眠の質を数値で表示するわかりやすさによるものです。
睡眠に悩みをもっていない方であるという前提ですが、夜更かししすぎずに寝て、夢をみたりみなかったりしながら朝起きたら、だいたい70点とか80点とか90点とかになるはずです。
そして、それくらいの点数だと自分が使用しているアプリの場合、「〇%のユーザーより優秀です」というコメントが添えられてきます。〇の中はだいたい、これも70%から90%の間になるようです。
この数値評価ですが、むしろ、低得点をコンスタントに出せる人というのがどれだけ存在するのでしょうか。
世間には「上位バイアス」や「自己過大視」という言葉があるそうで、一言でいえば
「人は自身の存在を買いかぶりがちになる」
という傾向を指すそうです。
たとえば、「あなたは平均よりおもしろい人か、そうでないか」と問われればつい
「どちらかというとおもしろい方だ」と言ってしまうし、
「能力が中央値の人と比べて上か下か」と問われれば
「真ん中よりは上かな」と答えてしまうものだということです。
つまるところ、スマートなんちゃらの睡眠スコアリングも、これを踏まえているのではないでしょうか。
とくに根拠がなくとも「自分はいい方に属している」と人間が認識しがちなことを察して、
「今日もあなたはいい感じですよ」
と背中を(雑に)押してくれるモノ。
アプリだのAIだのってまあ、大概そんなかんじですが……