地元国立大学を卒業後、父から引き継いだのは演歌が流れ日本人形が飾られたケーキ屋。そんなお店をいったいどのようにしてメディア取材の殺到する人気店へと変貌させたのかーー。株式会社モンテドールの代表取締役兼オーナーパティシエ・スギタマサユキさんの半生とお菓子作りにかける情熱を、安田佳生が深掘りします。
第48回 一切れ1000円のショートケーキは売れるのか。

ええ。わかりやすく言えば、バレンタイン用のチョコレートが何千円にもなってしまう感じですよね。「それでも買いたい」と思ってもらえるように価値を伝えることはもちろん大事だと思いますが、それにも限界があるというか。

そこが難しいところなんですよね。僕らは海外から原料を仕入れる他ないけれど、日本では商品が高く売れない。じゃあ高く売れる海外に輸出しようと考えても、パンやお菓子は生鮮食品ですからね。いっそのこと、海外に店舗を出して現地で売った方がうまくいくのかもしれない。

いよいよネットへの本格進出の時期が来たということなのかもしれません。今の原材料価格の高騰や採用難を考えても、遅かれ早かれ舵を切ることになる気がします。実際、ある程度商品を絞り込めばできそうな気がしますしね。
対談している二人
スギタ マサユキ
株式会社モンテドール 代表取締役
1979年生まれ、広島県広島市出身。幼少期より「家業である洋菓子店を継ぐ!」と豪語していたが、一転して大学に進学することを決意。その後再び継ぐことを決め修行から戻って来るも、先代のケーキ屋を壊して新しくケーキ屋をつくってしまう。株式会社モンテドール代表取締役。現在は広島県広島市にて、洋菓子店「Harvest time 」、パン屋「sugita bakery」の二店舗を展開。オーナーパティシエとして、日々の製造や商品開発に奮闘中。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。