このコラムについて
「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。
本日のお作法/見たことも聞いたこともないお話
某大手さんとのある研修シーンから。
ベテラン勢が集まり、「自身や自組織の今後」について意見交換する場にて、
「さっきから色々と『理想論』ばっかり言っているけどさ」
「そもそもそんなことは『現実的じゃない』と俺は思うよ」
「組織風土改善、生産性向上」など、「目指すところ」は近しいものの、それを「実践するプロセス」について「意見の相違、対立」が生まれているようでした。
「理想論」を押し付けられていると感じたのでしょうか、ベテランAさんが続けて、
「俺はさ、実際に『自分の目で見ていないもの』を信じられないわけよ」
と葛藤から生まれる苛立ちを隠そうともしません。
互いに「異なる価値観」があるのでしょうから、ごく自然なことなのでしょうが、そんな感情をぶつけられた側のベテランBさんが、こう返します。
「イヤイヤ、Aさんさ、『さっき人間ドッグには行った方が良い』とか『関節痛がひどくて治療している』なんて言ってたでしょ?」
「『赤外線やX線』なんかを使って治療したり、検査することをすすめているわけでしょ?」
「おかしくない?『目に見えないもの』に、めっちゃ頼ってるやんけ、、」
ナイスな切り替えしに、笑いを堪えきれず吹き出している方も入れば、戸惑った表情の方もいれば、と場の雰囲気が変わりました。
そこからは、
「『目に見えない』って言えばさ、、」
「『量子力学の世界』では、1つの粒子が複数の場所に同時に存在できるっていう『重ね合わせ状態』が認められているんよ」
「それって『波と粒子の2重性』と呼ばれて、ミクロな粒子が波のような性質を持つって概念だろ?」
「『相対性理論』なんかだと、『時間や空間は絶対的なものではなく伸び縮みするもの』とも言われているやろ」
「爆速移動するロケットの中では空間が縮み,時間の進み方が遅れるっていうしさ、、」
「それって、時間と空間の歪みこそが、物体同士が引き合う『重力の正体』だと証明したってことだよね?」
タカマツにとっては「見たことも聞いたこともない話」が次から次へと続くのです、、
大手組織の研修場面では、今日も「学術論文からの論拠やエビデンス」なるものの「お披露目会」が行われているのでありましたとさ。。