第186回 社長のおはなし

 このコラムについて 

「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。

本日のお作法/社長のおはなし

先日、某大手さんにて「新人フォローアップ研修」を実施しました。

入社して、およそ3ヶ月で「印象に残った出来事(気づき、学び)」を共有いただくセッションがあったのですが、とあるグループの意見交換をのぞいてみますと。。

「社長の言葉がすごく印象に残っている」と話すAくん。

・社長という仕事は孤独。。

・最終決定はひとりで決めなくてはいけない、、

・業績に責任を取らなくてはいけない。。

・毎日、期待通りにいかない場面に出くわす、、

・全てを話せる部下がいない。。

・自分を認めてくれる人がいない、、

「そんな話を聞かせていただいたけど、正直、『人間誰もが、承認欲求の塊なんやな』と安心した」

「確かに、意外と子供っぽいというか、そんなこと新入社員に伝えて、なんの意味があるんやろ?って思ったよね」

「いや、ちょっと引いたよな」

などと周りからも感想が重なります。

社長がどんな思いで、そのようなことをお伝えしたのか、わかりかねますが、

新入社員に伝わったことは、ポジティブではなかったようです。

そんな時に、Yくんが、

「でもさ、、」

・そんなことも含めて、ワクワクできる毎日

・世の中のために、役に立ちたい、気持ちが湧いてくる

・社員の笑顔に元気をもらえる

「って、楽しそうにまとめてたよな。俺はグッときたよ」

「えっ?そんなこと言ってたっけ?」

「言ってたよ」

「それに、『お金を否定するな』とも言ってたよ」

「人間でも否定ばかりしている人には味方がつかない。『自分はあんたが好きや』っていう思いを伝え続ければ、人も信頼もお金も寄ってくる」

「お金も含めて、世の中、全てのものに意志がある」

「だから、皆さんも自分も意志を磨いてください!ってさ」

「いや、めちゃくちゃ良い話してくれてたんやなぁ」とつぶやく仲間たち。

同じ話、なんてものは存在しないのですね。

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高松 秀樹(たかまつ ひでき)

たかまり株式会社 代表取締役
株式会社BFI 取締役委託副社長

1973年生まれ。川崎育ち。
1997年より、小さな会社にて中小・ベンチャー企業様の採用・育成支援事業に従事。
2002年よりスポーツバー、スイーツショップを営むも5年で終える。。
2007年以降、大手の作法を嗜み、業界・規模を問わず人材育成、組織開発、教育研修事業に携わり、多くの企業や団体、研修講師のサポートに勤しむ。

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