【最終回】第160回 「イケイケどんどん」卒業後は「おひねり人生」を目指します!

この対談について

株式会社ワイキューブの創業・倒産・自己破産を経て「私、社長ではなくなりました」を著した安田佳生と、岐阜県美濃加茂エリアで老舗の葬祭会社を経営し、60歳で経営から退くことを決めている鈴木哲馬。「イケイケどんどん」から卒業した二人が語る、これからの心地よい生き方。

【最終回】第160回 「イケイケどんどん」卒業後は「おひねり人生」を目指します!

安田
鈴木さん、ついにこの対談も今日が最終回です。

鈴木
第1回が2023年4月16日に公開だったので、丸3年以上経ったわけですね。いやぁ〜あっという間でしたね。
安田
ええ、本当に。毎回とても有意義なお話をありがとうございました。そもそもこの対談テーマって「私たちはイケイケどんどんを卒業します」でした。でも実は私、この対談がスタートしてからも、新しい会社を作ったり新しいビジネスを始めたりしていまして…(笑)。

鈴木
笑。安田さんがやられていることもいろいろ拝見していますけど、やっぱり僕も安田さんと同じくビジネスへの興味は尽きないです。
安田
そうですよね? やっぱりビジネスをやったりお金を稼いだりすることって、これ以上に楽しいことってなかなかないと思うんですが、その辺りはどうですか?

鈴木
僕も同感です。特に「お金」っていうのは、結局のところ自分が誰かの役に立った証だと思っていて。お金がない時代は「ありがとうございます」っていう言葉や物々交換でその気持ちを表していた。それが「お金」という便利な形に変わっただけなんじゃないかなあ。
安田
まさに仰るとおりで、本来は「ありがとう」の気持ちを表したのが「お金」だと思うんです。それがいつの間にか、「お金を稼ぐために働く」とか「お金を払う側が偉い」といった変な力関係になってしまった気がします。

鈴木
本当ですね。だから「お金」という対価を得られたってことは、「自分は社会貢献ができた」っていう風に思っておくべきなんでしょうね。
安田
そうですね。ちなみに、結婚とか子育てを「大変そう」「面倒くさそう」っていう人が多いですけど、実際に経験してみて初めてわかる良さってあるじゃないですか。

鈴木
ありますあります。特に子育てなんて大変なことは多すぎますけど(笑)、子どもからしか得られない幸せも確実にありますもん。
安田
私はビジネスもそれと同じだと思うんです。自分のアイディアが誰かを喜ばせることができた時って本当に快感で。こんなに楽しいことを、なんで皆やらないのかなって不思議でしょうがないですよ。

鈴木
自分の考えたことがそのとおりになって、みんなが喜んでくれるのって本当に嬉しいのに。しかもそれでお金まで稼げるんですよ? やらない理由がわからない(笑)。
安田
逆に、人を騙して稼いだとしても虚しくなるだけですよね。

鈴木
そうですね。そういえば昔パチプロの人がこんなことを嘆いてたのを思い出しました。「自分だけが儲かる生活って、誰の役にも立っていないんだっていう虚無感がすごいんだよ」って。
安田
あぁそれは辛いですね…。「誰かのお役に立っている実感」こそが、心の報酬になるんでしょうね。

鈴木
たぶん結婚とか子育ても同じで、家族から「あなたがいないと困る」と求められることで、自分の存在意義を感じられるじゃないですか。自分の人生で、これ以上の満足ってないと思います。
安田
間違いないですね。生活費を稼ぐためとは言え、毎日タイムカードを押して言われたことだけやっている毎日だと、そりゃあやる気もなくなるし不安にもなりますよね。

鈴木
うん、間違いない(笑)。
安田
私がまだ「イケイケどんどん」で社員をたくさん抱えていた時って、とにかくお金を稼いで利益を上げなきゃっていう思いでがむしゃらに働いていたんです。でも会社がなくなって、自分1人が生活できればいいやとなった時に、これからは好きなことだけやろうと思いまして。

鈴木
なるほどなるほど。そこでイケイケどんどんを卒業したわけですね。
安田
ええ。ところが50代後半くらいから、どんどんビジネスそのものが楽しくなってきたんですけど、なんていうか、「稼ぎが増える=社会の役に立っている実感」があって、すごく楽しいんです。

鈴木
ほう。つまり、お金を稼ぐ目的が、何かを買いたいとか貯金額を増やしたいということじゃなくなったってことなんですか?
安田
そうそう。だからこそ私は、残りの人生「働く時間は増やさず、いかに収入を増やしていくか」っていうことを目標に決めたんです。

鈴木
へぇ〜すごいなぁ!
安田
結局、時間あたりの収入が増えるっていうことは、世の中に対してそれだけのパフォーマンスを発揮しなくちゃいけないわけで。だからより、世の中にとって必要な「人間度合い」を増やしながら、生きていきたいと思うんです。

鈴木
素晴らしい! 自分に対する心地よい負荷をかけているわけですね。いいなぁ、それ。
安田
ありがとうございます。だって自分が死ぬ直前が人生で一番収入が高くて、一番社会に必要とされていたとしたら、最高に楽しいじゃないですか(笑)。…でもこれってもしかすると「イケイケどんどんじゃん」って言われちゃいますかね?

鈴木
いや、どうやろなぁ…。それってもう「イケイケどんどん」じゃなくて「やるやるずっと」じゃないですか?(笑)
安田
やるやるずっと! いいですね、それ(笑)。ちなみに鈴木さんも、やっぱりこれからも働き続けますよね?

鈴木
うん、僕も何もしないでいるのは難しい気がします。「困っている人を手助けできるような何かをしたい」っていう欲求はずっとありますから。
安田
でもそれをボランティアでやるわけではなくて、ちゃんと対価を得られるっていうことが生きがいになるんですよね?

鈴木
そうそう。その対価がいわば「役立ちバロメータ」。それでちょっと思ったのが、これってまさに「おひねり」だと思いません?
安田
おひねり、ですか。

鈴木
「あなた、すごいね〜」って感動してくださった人から投げられる「おひねり」。無理やり払わせるんじゃなくて、向こうから喜んで持ってきてもらえる対価=おひねりですよ。
安田
いいですね〜! じゃあ「イケイケどんどん」の次は「おひねり人生」を目指しましょうか(笑)。

鈴木
笑。そうやって80歳くらいの時が人生で1番年収が多かった、みたいな心地よい生き方ができたらいいですよね。
安田
それ、最高ですね! 鈴木さん、160回にわたっていろいろなテーマを掘り下げながらお話ができて本当に楽しかったです。これからもぜひ、世の中に貢献できるようなビジネスアイディアの交換をさせてくださいね!

鈴木
ぜひぜひ! また安田さんとコラボできることを楽しみにしています。本当にありがとうございました。

対談している二人

鈴木 哲馬(すずき てつま)
株式会社濃飛葬祭 代表取締役

株式会社濃飛葬祭(本社:岐阜県美濃加茂市)代表取締役。昭和58年創業。現在は7つの自社式場を運営。

安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 

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