庭師でもない。外構屋でもない。京都の老舗での修業を経て、現在は「家に着せる衣服の仕立屋さん(ガーメントデザイナー)」として活動する中島さん。そんな中島さんに「造園とガーメントの違い」「劣化する庭と成長する庭」「庭づくりにおすすめの石材・花・木」「そもそもなぜ庭が必要なのか」といった幅広い話をお聞きしていきます。
第86回 「四季を感じる暮らし」の先生として、世界に発信?

そうですね。例えば中国で庭を作った時は、「車を視界に入れない」っていうコンセプトでした。だから駐車場は地下に設けて、庭から車が一切見えない設計になっていて。

そうかもしれません。今の日本ではアルミで囲ったような外構が流行っていて。「庭」というより「エクステリア」ですね。アルミってけっこう高いんですけど、「スタイリッシュ」な印象で若い人に人気なんです。

そうなんですよ。前回も出ましたけど、そういう部分に価値を感じるのはもう、日本人ではなく外国人なのかもしれない。日本もこれからは外国人が1割を占めるようになると言われてますし、やっぱり外国人向けの提案に注力していくべきな気がします。

そこは基本的には日本の方と変わりませんね。まずはじっくりヒアリングして、その人の暮らし方や建物とのバランスを見ながら提案します。そのうえで、できれば日本の四季を感じられるような庭にしたいですね。
対談している二人
中島 秀章(なかしま ひであき)
direct nagomi 株式会社 代表取締役
高校卒業後、庭師を目指し庭の歴史の深い京都(株)植芳造園に入社(1996年)。3年後茨城支店へ転勤。2002・2003年、「茨城社長TVチャンピオン」にガーデニング王2連覇のアシスタントとして出場。2003年会社下請けとして独立。2011年に岐阜に戻り2022年direct nagomi(株)設立。現在に至る。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。