シンギュラリティ。それはAI知能が人間知能を超え、爆発的な社会変革を起こす転換点を指す言葉。バカギュラリティ。それはおバカな人の収入が賢い人の収入を超え、爆発的な常識破壊を起こす転換点を指す言葉。そんな言葉は聞いたことがないと言われそうだが当然である。私が勝手に作った言葉なのだ。
シンギュラリティは人の脳みその役割を根底から変えると言われている。これまで脳みそは「情報の記憶と分析」という大きな役割を担ってきた。だがこの役割は間違いなくAIに置き換わっていく。記憶できる情報の量や正確さ、集めた情報の分析力において、人の脳みそは到底AIに及ばないからである。
バカギュラリティは人間の労働の意味を根底から変える。これまで労働者は「真面目で、お得で、便利な」商品を作り、サービスを提供してきた。だがこのゾーンの仕事はすでにレッドオーシャンである。真面目にやればやるほど、お得で便利にしようとすればするほど、商品利益も労働時間も減っていく。
無駄を排除するための抜けもれない戦略がAIによって組み立てられ、現場から可能な限り人間が排除され、業界トップレベルになるまで規模の拡大が進められる。生き残る企業はトップ3社くらいに限定され、人間がやるべき仕事はどんどん減っていく。では人間はどんな仕事をするようになるのか。
AIと真逆の役割を人間が担うとすれば「不真面目で、割高で、不便な」商品やサービスの提供ということになる。ではそのような商品やサービスを欲しがる人がいるのか。実はたくさんいる。ちょっと思い浮かべてみてほしい。これまでの人生で買ってきたものを。これまでの人生で使ってきた時間を。
何ひとつ無駄な買い物などしなかった、無駄な時間など使わなかった、という人は皆無だろう。むしろ圧倒的に多くの無駄で人生が成り立っていることに気がつくはずだ。なぜこんなものを欲しがったのだろう、なぜこんなことが楽しかったのだろう、というものに多くのお金と時間を費やしてきたはずだ。
ストレスを溜めながらお金を稼ぎ、稼いだお金で無駄なことばかりする。これが人間の本質なのである。おバカなマーケットのほうがはるかに大きい。おバカな仕事をしたほうがはるかに楽しいし儲かる。この事実に多くの人が気づき働き方に大変革が起こる。それが私の予測するバカギュラリティである。
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