GlobalPicks 〜海外の情報を読み解いて、ビジネスに付加価値を投薬する方法〜
著者:小出 紘道
2019年に起業すべき業界ベスト8
前回に引き続き、中小企業の起業家向けアメリカ雑誌「Inc.」のweb版からピックアップします。
<記事タイトル>
8 Best Industries for Starting a Business in 2019
2019年に起業すべき業界ベスト8
<サブタイトル>
Some unusual sectors hold tremendous potential for entrepreneurs.
〜起業家にとってとんでもないポテンシャルを秘めた分野〜
・Micromobility
・Digital Therapeutics
・CBD Products
・Personalized Nutrition
・Healthy Jerky
・Baby Tech
・Selfie Services
・Workleisure Apparel
上記の8つが、Inc.バージョンの「2019熱い分野」です。
前回は、Digital Therapeuticsを紹介しました。
今回は、CBD Productsの紹介です。
CBD Products(カンナビジオール商品)
—原文
There is already a strong demand in the U.S. for products containing Cannabidiol, or CBD, a natural chemical component of cannabis and hemp that’s non-psychotropic, meaning it doesn’t get you high. Companies offering CBD products have a tremendous opportunity, as proponents of CBD claim the substance offers anti-anxiety, anti-inflammatory, and pain-relieving effects. Consumers are already embracing CBD as a product to be incorporated into their daily lives.→
アメリカでは、カンナビジオール(略してCBD)を含んだ商品への需要が既に高い。CBDはcannabis(カナビス:大麻)とhemp(ヘンプ:麻)のナチュラルな化学要素で、向精神性はなく、「ハイ」になることも意味していない。
CBDを取り扱っている会社はとてつもなく大きな機会に恵まれていて、CBDのproponents(支持者)は、このsubstance(物質)がanti-anxiety(抗不安)、anti-inflammatory(抗炎症)、pain-relieving(痛みの緩和)などの効果があると主張している。
消費者の側も既にCBDを日々の生活に取り入れ始めている。
要するに、大麻の中から精神に作用しない成分であるカンナビジオールを抽出して、そのカンナビジオールを使った商品には色んな効果があって既に流行り始めてますよ、ということですね。
ちなみに、一般的に大麻というと「向精神性(要はハイになるってこと)」に着目されますが、これは、大麻のTHC(テトラヒドロカンナビノール)という成分によって引き起こされます。CBDではハイにならない、ということです。
ざっくり言うと
大麻=THC+CBD
で、今、大麻の合法化うんぬん騒がれているのは「THC」を合法化しようよ? 「THC」を医療用に限りOKにしようよ?
という議論です。
「CBD」はほぼ世界的に合法です。既に。
日本でも「CBDオイル」という形であれば、海外通販サイトなどから購入可能です。合法です。
なお、ややこしいですが「ヘンプオイル」にはCBDはほとんど入ってません。。。
もっとややこしいのですが、「ヘンプオイル」からTHCが検出された事例があるようですw
モチロン違法ですね。日本では。
Why it’s hot:
何がそんなに熱いのか?CBD is popping up in a wide variety of products including oils, lotions, soaps, and beauty goods. The newest niche is the food and beverage industry, where businesses have added it to snacks, coffee, ice cream, and cocktails. By 2020, CBD is expected to make its way into yogurts, soups, and even salad dressings, according to a report on 2019 food trends from snack-maker Kind.
→
CBDは、オイル、ローション、石鹸、美容グッズを含む色んな形の商品で提供されています。
最新のニッチマーケットとしては、食品と飲料の市場で、スナックやコーヒーやアイスクリームやカクテルにCBDを入れています。
2020年までに、CBDはヨーグルトや、スープや、サラダのドレッシングにまで使われるようになる、というレポートがあります。
日本でも、CBDは少なくとも「アサイー」以上には浸透すると思うんです(笑)。ヨーグルト、コーヒー、オイル辺りが主戦場でしょうかね。
イメージとしては、MCTオイルよりはブームになるし、うまくマーケティングすればオリーブオイルよりも大きなマーケットになるでしょう。
去年辺り、バターコーヒーと称して「コーヒーにMCTオイルとバターを入れて飲む」のが流行りましたが、この流行りに乗ったセグメントは皆「CBDヨーグルト」と「CBDコーヒー」と「CBDドレッシング」の熱心な信者になるでしょう(笑)
ちなみに、「THC+CBD=大麻」とした時の、「大麻市場」については株式市場でも盛り上がっています。
7月くらいだったと思いますが、ティルレイという大麻関連医薬品企業がナスダックに上場して大変な盛り上がりでした。
ティルレイは、アメリカで最も有名な投資家(現在)で、ペイパルマフィア(ペイパルの創業者たち)の大ボスである、ピーター=ティール氏が投資したことでも話題になりました。
カナダを始めとする各国の大麻合法化の動きと、ティルレイの上場のブームに一区切りついて、一時期ブームになっていた、いわゆる「大麻関連銘柄」は現在大幅に値を下げつつあります(ピーク時の半値くらいの銘柄も)。
もっと下がるかもしれませんが、将来的には巨大市場に変貌することが目に見えているので、そろそろアメリカで上場している「大麻関連銘柄」に投資していこうと思います。
本業ビジネスでは「マーケティング&戦略コンサル」の仕事と、「高付加価値情報提供サービス」の仕事をしています。本コラムは後者の「高付加価値情報提供サービス」の初級編としての入り口となればいいな、と思ってます。世界の誰かが”既にかなり研究したり、結論を出している”にも関わらず”日本では流通していない数値情報や文字情報”がたくさんあります。それらの情報を、日本のマーケットにフィットするように編集・分析すれば「競合他社」や「競合他者」を出し抜ける可能性が高まります。法人向けのサービスとなっていますので、詳細はFace to Faceでお伝えしますね。
小出紘道 (HIROMICHI KOIDE)
◆株式会社シタシオン ストラテジックパートナーズ
代表取締役社長
http://citation-sp.co.jp
◆株式会社シタシオンジャパン
取締役会長
http://www.citation.co.jp
◆株式会社 イー・ファルコン
取締役
http://www.e-falcon.co.jp
<いわゆる経歴>
・2000年 株式会社東京個別指導学院に新卒で入社して、11ヶ月だけ働いてみた(→早めに飽きた)
・2001年 イギリスに行って、University of Londonで経済と国際関係を学んだり、Heriot-Watt Universityで経営学(MBA)をやってみた(→めちゃくちゃ勉強した)。この間に、イギリス人の友人とロンドンで会社を作ってみた(→イマイチだった)
・2003年 シタシオンジャパン社でマーケティングをやり始めてみた(→ろくにエクセルも使えなかった)
・2007年 シタシオンジャパン社の代表取締役社長になって経営をやってみた(→やってみてよかった)
・2018年 シタシオンジャパン社の社長を仲間に託し、引き続き会長としてコミットしつつも、シタシオンストラテジックパートナーズ社を設立してみた(→今ここ)