「すべての人は、すごい可能性を秘めている」と信じる大野と、「多くの人は目的などなくただ存在しているだけ」と断ずる安田。人間の本質とは何か。人は何のために生きているのか。300文字限定の交換日記による言論バトル。
113通目/安田からの返信
「器を見失わないこと」
空っぽの器のほうが打てば響く。たくさんのものが入る。その通りだと思います。問題はどこまでが器なのか自分でわからなくなっていること。入っているものが器と一体化しているケースは多々あります。出してしまえばいいのに。捨ててしまえばいいのに。それができない。それは自分の一部であると錯覚してしまっているケース。たとえば自分の家とか。学歴とか。会社でのポジションとか。もうひとつは器すら自分ではないと否定してしまうケース。どこまでが自分かわからないので器まで捨てようとしてしまう。器を壊してしまう。最悪なのは器を壊しながら中身だけを大事に抱えている状態。こうなったら人は虚無感に支配されてしまいます。
前回112目/大野「空っぽの器の方が打てばよく響く」
目から鱗です。特に好きな方法で成果を出すやり方を編み出す。これはまさに大切な観点とアプローチです。作家の本田健さん曰く、好きなことは「する」「書く」「人に話す」「グッズにする」「売る」「広める」「教える」「組み合わせる」「好きなことをやっている人をプロデュースする」「好きなことをやっている人にサービスを提供する」というように展開できると提案されています。話は少しだけ変わりますが、空っぽの器の方が打てばよく響く。才能もそれに近い。自分自身が空っぽになったとき、あるいは、空っぽである自分自身を受け入れたとき、自己という最高のリソースと才能が手を合わせる、そんな気がしてならないんです。
ー大野より
前々回111通目/安田「答えになっているか分かりませんが」
好きで得意なことが仕事になれば最高です。ではそれが一致しない場合はどうすればいいか。選択肢はふたつあります。①好きだけど得意でないことを得意になるまで極める②好きではないけど得意なことを好きになるよう工夫する①音楽や野球が好きだけど才能がない。そこで努力するやり方。②営業で成績は残せるけど決して好きではない。それを好きになるやり方。私のオススメは②です。なぜなら①は競争の激しいレッドオーシャンだから。では好きでないものを好きになることはできるのか。私はできると思っています。なぜ営業が好きでないかを徹底的に考える。好きな方法で成果を出すやり方を編み出す。すると得意と好きが一致していく。
ー安田佳生より
交換日記をする二人
●火曜日
安田佳生(やすだ よしお)
1965年生まれ、大阪府出身。
2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。
●金曜日
大野栄一(おおの えいいち)
株式会社一番大切なこと 代表取締役
https://ichibantaisetsunakoto. com
https://www.sugoikaigi.jp/coach/eiichiono/