174通目「成人するまでに最低限、人間として知っておいたほうがいい事はありますか?」大野

人間交換日記

「すべての人は、すごい可能性を秘めている」と信じる大野と、「多くの人は目的などなくただ存在しているだけ」と断ずる安田。人間の本質とは何か。人は何のために生きているのか。300文字限定の交換日記による言論バトル。


174通目/大野からの返信
「成人するまでに最低限、人間として知っておいたほうがいい事はありますか?」

好きです、安田さんの着装の仕方。そこで、そこほれわんわんしたいです。ただ、本質的な成長に触れる前に、幾つか、解像度を上げておいた方がいい様に思う事があります。成人するまでに最低限、人間として知っておいたほうがいい事はありますか?そもそも幸せとは何でしょうか?万人にあてはまり、且つ、時の流れに十分耐え得る抽象度まで上げて定義する事には意味がないでしょうか?多様性とか自由とか、僕らは今、インターネットによって昔には考えられないフラットとリンクとシェアという力を手にしていますが、哲学やモラル、義務もやはり野放し的がいいのでしょうか。分かった上で選択と他の選択肢や考えが浮かばないのでは意味が違います。

前回173通目/安田「成長の意味」

大野さんへ

運命は切り開ける。大野さんはそう信じていらっしゃるのでしょう。とても素敵なことだと思います。だからその方法を見つけようとする。それを人に伝えようとする。決して間違った行為だとは思いません。じっさい多くの人はそうやって成長するし、挑戦する姿がポジティブと評されるのでしょう。しかし疑問が湧くのです。ポジティブに見えるその活動も、成長に見えるその姿も、世間の評価に引きずられたものではないのかと。稼げるようになることや、スキルアップすることも成長ではあります。でも人生にはもっと本質的な成長が必要なのではないか。意味の違うポジティブが求められているのではないか。そう思えてならないのです。

ー安田佳生より

 

前々回172通目/大野「切り拓ける運命の領域」

安田さんへ

ここからは僕が勝手に創作したお伽話として聞いて下さい。刻印された運命はあるのでしょう。与えられた使命と役割もあるのだと思います。しかし、それは自らが約束した事でもあるので、思い出す必要がある。そして、刻印された運命を使って、使命を思い出していく過程で、切り拓ける運命の領域が増えて行く。つまり、使命を忘却したままでは、切り拓ける運命の領域は狭いまま。一見、問題に見えても、それは神とのチェス。何かを思い出させようとしている行為に過ぎない。では、どのような状態だと思い出していけるのか?若い頃苦手だったけど、あるいは苦労したけど、大人になって気づいたら好きで好きで仕方がない、その道に向かうこと。

ー大野より

 

これまでのやり取り

交換日記をする二人



火曜日
安田佳生(やすだ よしお)

1965年生まれ、大阪府出身。
2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。

●金曜日
大野栄一(おおの えいいち)
株式会社一番大切なこと 代表取締役
https://ichibantaisetsunakoto.com/
https://www.sugoikaigi.jp/coach/eiichiono/

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