第51回 仲介手数料のゆくえ

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自覚して生きている人は少ないですが、人生には必ず終わりがやってきます。人生だけではありません。会社にも経営にも必ず終わりはやって来ます。でもそれは不幸なことではありません。不幸なのは終わりがないと信じていること。その結果、想定外の終わりがやって来て、予期せぬ不幸に襲われてしまうのです。どのような終わりを受け入れるのか。終わりに向き合っている人には青い出口が待っています。終わりに向き合えない人には赤い出口が待っています。人生も会社も経営も、終わりから逆算することが何よりも大切なのです。いろんな実例を踏まえながら、そのお話をさせていただきましょう。

【仲介手数料って必要?】

過去を振り返ってみると、
私は人生で12回引っ越しをしています。
特にこの15年は住み替えスピードが上がり、
2年に1回のペースで引っ越しをしています。

引っ越し貧乏という言葉がありますが、
まさにそのとおりです。

とはいうものの、
住み替え自体にかかるお金は、
2年に1回の更新料を払う代わりに、
住み替えをすると考えると、
金銭的な負担はあまり感じません。

それよりも、
礼金など、不動産の取引に関わる手数料が
とても高いと感じていました。
住み替えという目的とは直接関係ないのに、
売買なら3%、賃貸なら家賃の1,2ヶ月分
支払わなければいけません。
何もサービスを受けていないのに、
搾り取られる、そんな感覚に陥ります。


【仲介者が欲しい】

もう5年以上も前の話になりますが、
ドバイで住む場所を借りました。
借りたときはエージェントを使ったのですが、
それ以降は、オーナーと直接交渉です。
給湯器の修理も、原状回復工事も、
負担金額交渉もメールと電話です。
相手も支払いはしたくないので、
なんやかんやと理由をつけて、
負担を抑えるような交渉をしてきます。

車を買うのも同じです。
ユーザー同士の取引が盛んなドバイでは、
個人売買サイトで見つけた中古車を
オーナーと直接交渉で取引します。
したたかな人に当たると、
引き渡し直前に、値上げ交渉が入ったり、
先にお金を支払うよう要求されたりと、
取引自体がスムーズに進みません。
最終的には名義変更が終わったあと、
譲り受ける車に同乗して、
小切手を銀行に持ち込んで終了です。

英語の契約書を読むのも、
つまんないことで時間がすぎるのも
とてもストレスだったのを覚えています。
お金払うから誰かやってよ。
と思えるようになりました。

【仲介者の仕事】

日本にいると、
不動産も自動車も、
仲介者任せですすむため、
何もサービスを受けていないような気がします。
ところが、
実際に取引が大変なものだと体感すると、
消費者どうしの利害を調整するサービスは、
ありがたいものだとわかってきます。

これから日本でも
消費者どうしの取引が盛んになるはずです。
いままで仲介業者がやってくれていた仕事を、
自分でしなければいけなくなるのです。

取引相手の素性はどうか。
契約書は抜けもれなく書かれているか。
現金とモノの交換は安全か?
相手は逃げたりしないか?
クレームの範囲は?

最近は、
仲介手数料のない不動産屋さんを、
時々見かけますが、
彼らが無料で利害調整をしてくれるとは思えません。
(どこかの金額に乗せているはずです)

そう考えていくと、
これからは消費者同士の取引が増えていくはずなので、
取引トラブルが増え、
利害調整ニーズが顕在化するでしょう。
もしかしたら、
仲介手数料は増えていくのかもしれません。

 

 

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- 著者自己紹介 -

人材会社、ソフトウェア会社、事業会社(トラック会社)と渡り歩き、営業、WEBマーケティング、商品開発と何でも屋さんとして働きました。独立後も、それぞれの会社の、新しい顧客を創り出す仕事をしています。
「自分が商売できないのに、人の商品が売れるはずがない。」と勝手に思い込んで、モロッコから美容オイルを商品化し販売しています。<https://aniajapan.com/>
売ったり買ったり、貸したり借りたり。所有者や利用者の「出口」と「入口」を繰り返して、商材を有効活用していく。そんな新規マーケットの創造をしていきたいと思っています。

出口にこだわるマーケター
松尾聡史

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